手指の故障、ジストニア、腱鞘炎に対処する (1) – アレクサンダー・テクニーク的視点より

手指の故障、腱鞘炎、ジストニアに悩んでおられる方が、とくに音楽家の方に多くいらっしゃいます。 指が思うように動かなくなったり、思わない方向に動いてしまったり…。 「ジストニア」で検索すると、読んでいて辛くなるような、症状についての話が多く出てきますが、原因や解決法は、医学的にもよくわかっていないと言われているようです。なので、ここでは医学的なことはいったん置いておいて、「手のしびれ」「手の痛み」「指が思うように動かなくなったり、思わない方向に動いてしまったりして、演奏や日常生活に困っている」というようなときの対処についてアレクサンダー・テクニーク的に、考えてみたいと思います。 私が見たところ、ジストニアになる人、手を使いすぎて故障させてしまう人ような人は、非常に真面目で努力家で、目的意識を持って練習を継続することができる人に多いように思われます。そのような努力ができるという能力はもちろんすばらしいことですし、その努力によって今まで成し遂げてきたことも数多くあったことでしょう。それが悪いわけではありません。ただ、手の痛みが治らなくなったり、ジストニアになりかけていることに気...
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評価されることと自分軸、刺激と反応とアレクサンダーさん、プライマリー・コントロール

「緊張を味方につける」という話のなかで、複数の方が、「評価される場面でよけいに緊張する」と言われていました。 たしかに評価される場面では、自分がどう評価されるかが当然気になるでしょうし、よりよく評価されたいと思うことによって、緊張してしまうのも、自然な心の動きといえると思います。それでも緊張のおかげでパフォーマンスに影響があったりすると、なんとかしたいと思いますよね。 それにちょっと関係する話だなと思うので、アレクサンダー・テクニークの創始者であるF.M.アレクサンダーさんの話を少ししようと思います。 F.M.アレクサンダーさんの話 アレクサンダーさんがアレクサンダー・テクニークをはじめることになったのは、アレクサンダーさん自身の舞台にかかわる経験がもとになっているのです。 アレクサンダーさんは、19世紀、今からおよそ100年前の人で、シェイクスピア劇の一人芝居をする人だったのでした。しかし、舞台に立ってせりふを言おうとすると、声がかすれて出なくなってしまう、という症状に悩まされていたのです。 医者に診てもらっても原因がよくわからず、解決しなかったので、「自分がせりふを...
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歩いて前に出てきて、お辞儀してーステージで人前に立つまでの動きを丁寧に見なおしてみるー本番の緊張対策の一環として

演奏(演奏以外でも人前でのプレゼンテーションやパフォーマンスなど)をはじめてから、いろいろなことが気になってしまい、「よけいなことを気にせずに演奏に集中できればいいのに」と願う方が多くいらっしゃると思います。 そういう場合、演奏しはじめてからではなく、演奏しはじめる前に自分がどうしているのかに意識を向けてみてはいかがでしょうか? 演奏しはじめてからは、音楽表現のことを考える必要がありますし、脳と体はいろいろな働きをするので忙しいことでしょう。なので、演奏しはじめる前、ステージに出ていく前、ステージに向かって歩いているときに、自分の体と、それから五感(触覚、視覚など)に意識を向けてみましょう。 過去にひっぱられたり、まだ起こっていないことを心配したりする意識から、「今、ここ」に意識を戻すの助けになります。 演奏以外のことをやる人も、自分の活動に置き換えて読んでみてください。 歩く、見る お辞儀 座る 家で練習する段階で意識しておくとよいこと 演奏しはじめる前に、以下のようなことを意識しながら歩いてみましょう。 【歩く、見る】...
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あがり症~「練習と本番と違ってしまう」~だからこそふだんの何気ないところから見直してみよう

(音楽家の方の話をもとに書いていますが、音楽家以外のパフォーマンスをする方や、人前で話をするときなどにもぜひ応用してみてください)。 音楽家などの方から、コンサート、あるいはオーディションなどの本番であがってしまって普段どおりに演奏できない、と相談されることがよくあります。「ふだんはそんなことは起こらないのに、手がふるえたり、動かなくなったりする」と。 そんなときどうしたらいいか? 本番のそのときに対処できるアイデアも、ありますが、やはりその前に根本的には、「ふだん」のことを見直すことが大事なんです。 「ふだんは問題なく弾ける」と言われる、それは本当だと思うのだけれど、実はふだんも、問題とは言えない程度だけど、ちょっとした無理が起こっていたりする。でも、それに気づかなかったり、気づいたとしても「この程度ならまあ大丈夫だろう」と、そこは無視してそのまま練習を続けてきたかもしれません。でも、ふだんなら問題がないその人の癖や傾向が、本番になってアドレナリンが出てきたときに、もっと強調されて現われてくる。そしてそれが、パフォーマンスを邪魔することになってしまうのです。 そ...
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本番の緊張、人前での緊張、「あがり症」~緊張を味方につけるために

本番で緊張しやすい、あがりやすい、ということに悩んでおられる方が多くいらっしゃいます。 緊張したり、あがったりするのは、その場が、その人にとって大事な場だからこそですよね。 お客さんがたくさん来る本番、大事な人、尊敬する人が見に来る舞台…。 あるいは就職活動での面接や、教育実習等の場面も、緊張すると思います。 解説 ワーク 「ふだんから緊張する」という方も多くいらっしゃるかもしれません。「体の動きの気づきのワーク」(セミスパインなど)をぜひ続けてみてください。体への気づきが増し、体がだんだん自由になってくるのにともなって、緊張しやすい体質が少しづつ変わってくるでしょう。 「ふだんは本番と違って緊張しない」と自分では思っている場合でも、気づかないまま、体を固めながら演奏その他のことをやっているかもしれません。そのような体を固めながら物事を行う習慣がほぐれてくると、本番で精神的に緊張したときでも体が自由に動くようになってきます。 緊張したり、あがったりするのは、その機会をあなたがそれだけ大事だと考えているからこそです。 ...
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