(昔、2006年11月29日にメルマガで送った文章がでてきたので再掲します。)
アレクサンダー・テクニークの本などを読むと、独特な言葉がいくつか出てきます。レッスンのなかでは、あまりそういう言葉を直接、使うことは多くないのですが、概念として大事なことも多いので、ちょっととりあげてみます。
●エンド・ゲイニング end gaining
「目的に走る」などと訳されています。目的を達成しようと一生懸命になりすぎることです。
もちろん、何事にも目的があることは、いいことだと思いますが、その目的を直接的にそれをめざして急ぎすぎたり、そのまわりにある要素を意識からシャットアウトしてしまったり、プロセスをカットしてしまったりすると、たとえば体を壊したり、あるいは目的そのものも結局達成できなくなってしまったりします。
FMアレクサンダーが、舞台で声を出そうとがんばりすぎて、枯れた声しか出なくなってしまったというのが、そのいい例です。また、そういう症状を治そうとする過程で、対症療法的になりすぎることも、もうひとつのエンド・ゲイニングです。
目的や、意図をもっていながらも、今、自分がどこにいる...
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エンド・ゲイニング
肩凝りをもつ人に、ありがちなこと。
肩凝りに悩む方がレッスンに来られて、帰る前に、「すごく楽です。それに肩が下がった気がします」と言われました。
そして、「あれ以来、肩を下げるようにしています。でもなかなか、あのときみたいに楽にはならないですね」
と、後日、言われます。
実はレッスンの結果、「肩が下がった」からといって、肩を下げたら駄目なのです。
その人の場合、なぜそれまで肩が上がっていたかというと、実は首が縮まっていたからでした。
ここでみなさんも、よかったら実験してみてください。わざと首をすくめてみてください。
肩があがったり、肩が中央に寄ってきたりしませんでしたか?
このように首が縮んだまま、肩を下げようとすると、負荷をかけて押し下げないといけません。
そうすると肩だけでなく、胴体全体を押し下げてしまいます。
けっこうな努力が必要なわりに、楽にはなりませんね。
首って、このようにわざと縮めることもできますが、習慣的に、またはプレッシャーに反応して、無意識で縮めていることも多いのです。
そのような、無意識で首を縮める習慣や反応から抜け出すために、
首と背骨全体が本来の長さを取り戻して、ゆるやかにカーブし...
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ボストンのアレクサンダー・テクニークの学校
ボストン近郊の学生都市ケンブリッジのAlexander Technique Center at Cambridgeに来ています。
今、カフェでマフィンを食べながら、これを書いています。
アメリカではマフィンは、食べきれないぐらいすごく大きいけれど安くておいしいです。(アメリカでおいしいものといえば、マフィンとエスニックフード!)
昔の記録を振り返ってみたら、ここボストンの学校にはじめて来たのが2001年で、今回は9回目の訪問です。去年、校長であるトミー・トンプソン先生が初来日しました。日本では通訳もつくので、こっちで英語で聞いてわからなかった話もわかって感激しました。(トミーは語りが上手で、とにかくエピソードをたくさん話してくれるのです)。
それでもやっぱりここの学校で毎日学んでいる学生たちと学ぶ機会は貴重です。
学生は3年で卒業するので、私が最初に来たときの学生たちはもういないし、その後何代か入れ替わってます。今回、2年ぶりに来て、知らない人も多いので最初、不安でしたが、今、学んでいる人たちもみんな魅力的で親切な人たちでした。
今いる学生は
・韓国人のSさん
・ジャズギタリ...
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