練習量が増えてくると腕の痛みが出てくるというギタリスト&ギター教師の方。
姿勢もなんだか、前にお会いしたときより猫背に…。
アレクサンダー・テクニークをはじめて、姿勢に気をつけるようになったとのことだが、姿勢の気をつけ方が、細かく部分的になっていて、「全体」という意識が薄くなってしまっていたようだった。
自分全部で弾く
そこに戻ることが、やはり大切。
人間は機械でないので、姿勢や動きの細かいところまで、意識でコントロールする必要はないのだ。(コントロールするつもりになってると、カクカクと、動きが機械みたいになってきたりするので興味深い)。
そういうことは、体がやってくれる、神経システムがやってくれる。
ギターを弾くということは、指だけの仕事ではなく、胴体も関わっているし、胴体は呼吸して動いている、固定させることはない。
気づかないうちに固定させていたことに気づいたら、動いていいんだな、ということを思い出す。意識が変わると体が変わる。
レッスンは、その人の今の課題がどこにあるかを観て、気づいてもっと楽だったり自由になったりする可能性にひらいて...
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肩凝り・腰痛とアレクサンダー・テクニーク
肩凝りをもつ人に、ありがちなこと。
肩凝りに悩む方がレッスンに来られて、帰る前に、「すごく楽です。それに肩が下がった気がします」と言われました。
そして、「あれ以来、肩を下げるようにしています。でもなかなか、あのときみたいに楽にはならないですね」
と、後日、言われます。
実はレッスンの結果、「肩が下がった」からといって、肩を下げたら駄目なのです。
その人の場合、なぜそれまで肩が上がっていたかというと、実は首が縮まっていたからでした。
ここでみなさんも、よかったら実験してみてください。わざと首をすくめてみてください。
肩があがったり、肩が中央に寄ってきたりしませんでしたか?
このように首が縮んだまま、肩を下げようとすると、負荷をかけて押し下げないといけません。
そうすると肩だけでなく、胴体全体を押し下げてしまいます。
けっこうな努力が必要なわりに、楽にはなりませんね。
首って、このようにわざと縮めることもできますが、習慣的に、またはプレッシャーに反応して、無意識で縮めていることも多いのです。
そのような、無意識で首を縮める習慣や反応から抜け出すために、
首と背骨全体が本来の長さを取り戻して、ゆるやかにカーブし...
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荷物(だけ)のせいにしない。
インターネット上で知人がこんなレントゲン写真を紹介してくれました。
これを見て、どんな風に感じますか?
「ひぇー、こんなに背骨が歪んでしまうんだ!」
「やっぱり片側に重い荷物をかけるのは、まずいんだろうな」
と、思われた方も多いでしょうか?
この写真のキャプションは、"This is what a heavy bag will do to your spine." 「これが重い荷物が君の背骨にしていることだ」 というものでした。
私は、でも、こういうレントゲン写真を見るとき、すぐに解釈して結論を出す前に、「ちょっと待って」と、もう少し考えたほうがよいんじゃないかな、と思うのです。
写真はたしかに、ある人のある瞬間を切り取った真実ではあるけれど、
・重い荷物を片方の肩に背負ったら、避けようがなく、こうなる、というわけではない。
・この人も、いつもこういう状態というわけではないかもしれないし、ずっとこのままだ、というわけではない。
ということは、押さえておいたほうがよいんじゃないかな、と思うのです。
重い荷物を背負ったときの反応として、こういう格好になる...
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腰痛とアレクサンダー・テクニーク
暑いと思っていたら、急に冷える日があったりして、だんだん、秋になってきますね。
みなさんお元気でしょうか?
この季節の変わり目に、風邪をひいたり、腰痛やぎっくり腰などになった方もおられるようです。そういう私自身も、風邪をひきました。
風邪をひいたりすることは、デトックスになるし、新しい季節への準備を体がしてくれているのだと思います。なので、風邪や、体を壊すことを敵視しないで、いつもより少し時間をかけて自分をいたわるチャンスだと思うとよいのではないかな、と思っています。
さて腰痛やぎっくり腰には、アレクサンダー・テクニークを生かすことができるのではないかと思います。
とは言っても、本当に一番、痛いときには、寝ているしかなかったり、あるいは、アレクサンダー・テクニーク以外の施術やセラピーや東洋医学などのほうが、より早く効果が得られるかもしれません。(人や状況によって相性があるでしょう)。
ただ、アレクサンダー・テクニークは腰痛やぎっくり腰が再発しにくいための予防になるのと、また、腰痛やぎっくり腰が起きてしまった後のリハビリに役に立つと思います。
たとえばぎっくり腰...
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クラリネットと肩凝り(ものを持つこと、手を使うこと)
今日の記事は、クラリネット奏者Aさんとのレッスンをきっかけに、クラリネットを構えるときのヒントのようなものを書いてみたのですが、クラリネットなどの木管楽器奏者だけでなく、
・肩凝りに悩む人
・細いものや小さいものを持ったり使ったりして、細かい作業をするとき
・そのほか、ものを持つこと、手を使うこと全般
・リラックスと、腕の方向性について
・”点”で支えないことについて
などについて考えてみるヒントにもなるかな?と思います。
よかったら読んでみてください。
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きのう、継続して来られている生徒さん、クラリネット奏者のAさんが来られました。Aさんは、
「クラリネットは、右親指と、口だけで重さを支えているんです」
と、言われます。親指以外の指は、メロディーを奏でるためには常に動かして、クラリネットの穴をふさいだり開いたりする仕事があるし、体の中で常に楽器の重さがかかっている場所はたしかに、直接的には、左親指と、口だけです。
でも、直接、重さがかかっている場所だけで、”点”で重さを支えようとすると、大変です。Aさんは、肩凝りと、胸のあたりが硬くなって、なんとなくつま...
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