動きのなかで体に気づきを向けるということをやってみましょう。
体がゆるみにくいようなとき、ゆっくり丁寧に動くことで、かたまっていたところ、動きがなかったところがほぐれてきたりします。ムリに伸ばそうとするより、体の声を聞きながら、ムリなく丁寧に動くことがコツです。
私のレッスンのなかでもやっている簡単な動きを、動画で紹介してみました。5分前後の簡単な動きです。
シンプルな動きなのですが、ゆっくり、体の声に耳を澄ませながら、やってみてください。
思うように動かせないときや、痛みがあるときは、無理しないで、楽にできるところまでやってください。
意識の持ち方のほんのちょっとした違いで、すっと動きやすくなったりすることがあります。
(骨や筋肉には問題はないのに、無意識でやっていて自分ではなかなか気づかないような、微細なレベルの動きの習慣があって、それが動きを制限しているということがよくあります。それは、動くときの「意識の向け方の癖」だったりします。ゆっくり動いてみることで、いつもの習慣から離れて新鮮に動いてみることがしやすくなります)。
動いてみて、気持ちいいな、と感じられたら、
体のコリや緊張を感じたとき、デスクワークの合間、楽器の練習の前や後、寝る前など、折に触れてやってみることをおすすめします。
よくありがちなのが、つい、急いで動かしてしまうことです。
「ゆっくり動かす」のは、慣れないと最初は難しく感じられるかもしれません。でも、とても効果的です。
からだ全体のつながりを取り戻すために効果があります。
とくに、「動きはじめるとき」を丁寧にやるのがコツです。
いつもゆっくりはできないにしても、一日に一回か数回、数分、こういう時間を取ってみると、体がほぐれたり、大事なことに気づいたりすのではないかと思います。
腕の動きのセルフワーク
腕の動きと胴体のつながりを見ていきます。
腕、肩、首などに、痛みやコリがあるとき、
指が思うように動かせないようなとき、ぜひやってみてください。
腕を丁寧に動かすことによって、胸郭も動くようになります。
肋骨、肩甲骨、鎖骨が動くようになります。
体は、どこか一部分だけで動くのではなく、広い範囲が協働して動いていることがよくわかると思います。
それは、自然な呼吸ができること、より深い呼吸ができることにつながります。
ストレスなどで息が浅くなっているときにも、やってみてください。
歌ったりスピーチしたり、声を出すときの準備としても、おすすめです。
この動き自体は、アレクサンダー・テクニークのプロシージャ―ではなく、私が考えたものですが、「自分を観察しながら丁寧に動く」というのは、アレクサンダー・テクニークの基本的な態度です。
ほかの動きでも、よかったら自分なりに試してみてください。
【追記】
動画では言っていなかったポイントを、以下に書いてみますね。
* ひじを前や上に動かすときに、肩を前に押し出していませんか?
それは必要ありません。
肩はそのまま楽にそこにあって、
後ろの肩甲骨が、ひじの向きと一緒に動いてきます。
そうすると、胴体の側面、脇がひらいてきて、腰が伸びてきます。
そして呼吸が深くなってくるでしょう。
* 腕だけに意識が行っていませんか?
腕のほうに体が傾いていないでしょうか?
背骨が体の真ん中にあって、中心軸のようにそこにあることを思い出しましょう。
そして、足が地面についていることを思い出しましょう。
背骨は、下にも長く、お尻の先まで伸びています。
また背骨には太さがあって、前側もあります。
それを意識しながら、腕を動かしてみましょう。
言葉だけで読むとわかりにくいかもしれません。そういう方は、レッスンで一緒にやってみましょう。
腕の動きのワーク-ひじに触れながら
上の「腕の動きのワーク」の補足です。
自分のひじに触れて、ひじが指先と一緒に動いていくことを意識しながら、同じ動きをしてみます。
腕を使うとき、腕のどこか一部分の筋肉を集中して使いすぎてしまうと、筋肉が硬くなって疲労がたまりがちです。(よくあるのが、上腕筋の前側を固めてしまうことです)。
このように意識的にゆっくり動いてみることで、同じような動きであっても
いつも使っていない部分が目覚めて、
使いすぎているところを休めながら腕をあげることができる
と、気づけるのではないかと思います。
そうやって動いていると、固くなっていたところがほぐれてきたりします。
腕だけではなく、胴体も生き生きとして、ほぐれてきたりします。
体が立体であること
全体とのつながりのなかで動くこと
体のまわりのスペースの奥行きが使えること
そんなことを味わってみてください。