長年レッスンに来られている、60代のYさんが、ご自分の体験談を送ってくださいました。中国語を勉強されている延長で、朗読に取り込んでおられ、最近は、レッスンで朗読にアレクサンダー・テクニークを応用することに取り組んでおられていました。
Yさんの許可を得て、体験談をシェアさせていただきます。
土曜日の朗読大会での発表についてですが、結果から先にお伝えしますね。緊張感を味わいながら、体全体を通して作者のメッセージを伝えられました。講評では、作者の思いを言葉ではなく、程よい「間」から伝わってきて感動したと言ってもらえました。
私も特に間の取り方を意識したわけではなかったのですが、皆さんに作者のメッセージが届くために先生からアドバイス頂いたイメージしたこと、体全体を使うことなどなどが考えてではなく私のからだが自然に表現してくれたように思うのです。
今回は瞑想して落ち着いていたのですが、出番が目の前に迫ってきたら手のひらが湿っていることに気づきました。また出番の順番を間違えそうになったりと小さなハプニングがありましたが、それも落ち着いて対処できました。心の中は普通に緊張し続けていましたが、しすぎることはなかったですね。
本番では、呼吸に合わせて語り始め、体の中心から声が出てきてくれて、全文間違えることなく終えられました!最後の部分に入ってから少し声が震えてきたのですが、これもありと思いそのまま続けました。
話している時、自分と会場の人たちとが同じ空間を共有している一体感を感じました。人数は多分100人以上いたかもしれませんが、多い少ないという感覚もなく、ただただ語り続けられました。
体に全て任せて声を出していましたね、余計なことは考えないしやらないようにしたいと願って。万が一の為の原稿も持たず、この2分間余りの時間に全てを賭けました。
自分ができたらいいなぁと思ったことが実現できたこの体験は宝物です。
暗誦することにも少し自信が持てたので、来年は少し長めの話にもチャレンジしてみたいと意欲が出てきています。
“緊張したままでも、したいことができる“ことを体験できたことによって新しい世界が始まりました。