見ようとすることと、見えてくること

きょうはレッスンのなかで、生徒さんのリクエストで、手芸をするときのワークをしました。
集中力が要るような細かい作業を熱中してやっていて、もっとやりたいのだけど、腕や肩や、目が疲れてしまう…というような経験をもつ方は多いのではと思います。

アレクサンダー・テクニークはそういうときにも役に立ちます。

ときどき、アレクサンダー・テクニークはゆるむこと、緊張を手放すことに役立つのでしょう? 集中するときには役に立たないのでは? と思われることもあるのですが、そんなことはないのです。

細かい作業をするときは、ある一点に視点のフォーカスを合わせる必要がありますね。
点にフォーカスしつつ、よぶんに体を固めないためにはどうしたらよいでしょう?

「目で見るのではなく、視覚野で見る」

ということを、私はここのところみなさんにお伝えするようになりました。(これは”アイボディ”で学んだことの一つです)。
視覚野というのは、頭の一番後ろにあります。
眼球からそこまで神経をとおって情報が伝わってきているのです。

「目は光を通すだけ、視覚野で見ている」

見たいものがあるとき、その見たいものから自分のほうに光と情報が入ってきて、目を通って脳のなかへ入ってきている。それを頭の後ろで受け取って認識している。

そう思うと、目で余計な緊張をしなくても、見えます。

私は、この原理がわかってから、目の疲れがとても減りました。

「見に行く」のではなく「見えてくる」

むこうからこちらに向かって情報が入ってくる。
「見に行く」のと逆の矢印を思ってみましょう、イメージしてみましょう。

(「思ってみましょう」という言い方を、私はアレクサンダー・テクニークのレッスンのなかでよくします。体というのは賢いもので、「思うだけ」で必要な変化は起こるものなのです。神経系のはたらきのおかげですね。「思うだけ」でいいところを「しよう」とすると、やりすぎになってしまうこともあります。このことを non-doing  (ノン・ドゥーイング)と言ったりします )。

手仕事のとき以外に、PCやスマートフォンを見るとき、読書、楽譜を見るときなどにも、よかったら応用してみてください。

私のアレクサンダー・テクニークのレッスンのなかでは、上記のことと、頭と首/脊椎の関係とをあわせて見ていきつつ、より立体的、具体的にワークしていきます。

見え方が変わってくるのはおもしろいです。

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そして、3月最初のオンラインクラスはこのテーマにすることにしました。

オンライン生活に疲れている方も多くいらっしゃると思いますが、
そういう人こそ来てほしい。

画面を凝視する習慣から離れて、
自分が今ここの空間に立体的に存在していることを思い出し、
「見える」ということの新鮮さ、楽しさを思い出せるような時間になればと思います。
オンラインですが、画面から離れて、部屋のなかを歩いたり、動いたりする時間も持ちます。

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オンラインワークショップ
「目の使い方と体の使い方ー自分全部」
3/13(土)13:30~15:00
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考えてみると、私たちの日常のなかでかなりの行為が、見ることと無関係ではないように思います。
そんなに見ていると意識していないときでも、
手仕事、楽器を弾くこと、料理、掃除、
そして人と関わるということ…
いろいろなことが見るということにともなっています。

ワークショップでは、
・目でがんばらずに見ること
・見ることと、頭と首/脊椎の関係
などについて体験的にワークしたあと、
それぞれの人が興味があるアクティビティ(手仕事、パソコン、対話、演奏やパフォーマンス、読書、そのほかなんでも)について、実際にやっていただいてみていきたいと思います。

3/13(土)13:30~15:00
定員:6名
参加費:1回3000円(2回5500円)
お申し込み:yuriko@littlesounds.com

ご興味がある方はどなたでも、どうぞお問合せください。

 

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