最近、アレクサンダー・テクニークが本質的にどんなワークなのかということを伝えるのはなかなか難しいなあと、いまさらながら悩むことがあります。
世の中では「わかりやすい」ものが求められているけれど、
アレクサンダー・テクニークは、わかりやすいものだとは言えないと思います。
以前、本を書いたときも、「わかりやすく書いてほしい」と言われ、
できるだけそれを心がけて書いたのですが、わかりやすく書くことによって伝えきれなかったものはあったのではないかなと思ってます。
しかしそもそも、本や文章で不特定多数の人に伝えるということに限界があるので、そこは割り切らなければいけないわけですが。
でも、アレクサンダー・テクニークの真髄は、対面で、「その人」に会って、
人間と人間が出会うことによって、日常では気づかないような微細な違いに気づき、今まで気づかなかった自分自身に気づくことにあると思います。
本や文章でも書けるような一般的なことを伝えるのであれば、レッスンでなくてもよいし、大人数の講座やオンライン講座などでもいい。
でも私はやっぱり、非効率ではあるけれど、「その人」の「そのとき」にお会いしてのレッスンにこだわりたい。
アレクサンダーさんが使った原理を参照しながら、
動きと、観ることと、対話と、触れることを組み合わせて、
起こっていること、起こりえることの世界を生徒さんと探究することで、
その人が変容していくこと、より楽になったり自由になったり、可能性にひらいていくことを、よりたしかにサポートできると実感しているからです。
そこにあるのは、誰にもあてはまるノウハウでもなければ、決まった正解でもない。もっと探求しがいのある、深い世界が広がっていると思っています。
たしかにノウハウ的なものが悪いわけではなく、わかりやすい言葉がきっかけになることはたくさんあります。でも、「わかりやすい」入り口を入った先にある、もっと深くておもしろい世界が、自分自身のなかにあることを、もっと知ってもらいたいなあ、と思うのです。
言葉で伝える限界を思いつつ、パラドックスのようですが、言葉でも、本質的なことを伝えることを模索しつつ、文章もがんばって書いていこう、と思いをあらたにしているところです。
ひとりひとりの生徒さんと出会う現場を大切にしつつ。
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