鍼灸師さんや整体師さんに、アレクサンダー・テクニークのレッスンでどんなことをやるのかを紹介しようと思います。
もちろん、その人、その人にとって違いますが、たとえば、
「鍼灸や整体の技術を学校で習ったのだけれど、習ったことが思うようにうまくできない」という方には、
それらの技術を、より効果的に行うために、まずは自分の体の使い方と動きを見ていきます。
人を援助するお仕事の方は、「相手の人を直してあげたい」「相手の人に何かしてあげたい」という思いがあると思います。
それはすばらしいことですが、自分のことを置いておいたまま、相手の人だけに焦点をあてると、余計な力が入る原因になったりして、あまりうまくいかないことがあるのです。
「まずは、自分の体の使い方から見てみましょう」と言うと、意外そうな顔をされる方もおられますが、
私は、そこに意識を向けることが、とても大事だと思っています。
人に触れる。
人をマッサージする。
人の体を動かす。
人の動きを介助する。
人に鍼をうつ。
などのとき、自分自身はどのようなあり方をしていて、どのように動いているか。
手だ...
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力を抜く
「腕の力を抜く」 (1)(続 力を抜くことのむずかしさと方向性)
前回、「力を抜く」ことのむずかしさと「力を抜く」について、主に胴体の話からしてきました。
胴体を、力を抜こうとして下向きに押し下げるのをやめて、上向きに広がっていく(「ぶらあがる」)ことを思うと、呼吸もしやすくなるし、手足も動かしやすくなる、という話でした。
今日は、「腕の力を抜く」ということについても、書いておこうと思います。
腕についても、ダランと下向きにぶらさがるのがよい、と、よく言われたりしますが、これについても、もう少していねいに見てみる必要があると思います。
腕をぶらさげようとして、押し下げて、重くしてしまっていないか、ということです。
たしかに、不必要に腕を持ち上げた状態で固めて使っている場合もあるので、それに気づいたら、やめる必要があります。でもだからといって、押し下げすぎるのにも注意が必要です。
これには腕の構造を見てみると、役に立つかもしれません。
(以下の説明は言葉だけではわかりにくいかもしれません。後日、絵をのせようと思いますが、言葉が苦手な人は、すみません、理解できなくても気にせず、流し読みしてください)。
腕を骨格と...
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「力を抜く」ことのむずかしさと、「方向性」
力を抜くことについて、以前、書いて、すぐに続きを書くつもりが、時間が経ってしまってすみません。
「力を抜く」ことが大事なことだ、と、最近よく言われるようになりました。
たしかにそうなのですが、「力を抜こうと思っても、なかなか抜けないんです」と、言われる方が多いです。
「力を抜く」って、けっこう難しいことだと、私も思います。
「力を抜こう」としている人がよくやっていることに、力を抜こうとして体を押しさげてしまっている、ということがあります。
肩を下に押し下げてしまっていて、その結果、肩の下にある肋骨や、肺を狭めてしまっていたり、お腹を縮めてしまってことが、よくあるのです。
そうすると、呼吸がしにくくなってしまいます。
声を出そうとするときや、息を吐こうとするとき、管楽器を演奏しようとするとき、「力を抜こう」として、よけいに肺を圧迫してしまっているケースは、意外と多いのです。
たしかに肩があがってしまっていては、よくないというのはそのとおりなのですが、上がらないように、下げていては、それもまた、逆効果です。
肩は、上げずに、かといって、下...
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