アレクサンダー・テクニーク用語 エンド・ゲイニング end gaining

(昔、2006年11月29日にメルマガで送った文章がでてきたので再掲します。)

アレクサンダー・テクニークの本などを読むと、独特な言葉がいくつか出てきます。レッスンのなかでは、あまりそういう言葉を直接、使うことは多くないのですが、概念として大事なことも多いので、ちょっととりあげてみます。

●エンド・ゲイニング end gaining

「目的に走る」などと訳されています。目的を達成しようと一生懸命になりすぎることです。

もちろん、何事にも目的があることは、いいことだと思いますが、その目的を直接的にそれをめざして急ぎすぎたり、そのまわりにある要素を意識からシャットアウトしてしまったり、プロセスをカットしてしまったりすると、たとえば体を壊したり、あるいは目的そのものも結局達成できなくなってしまったりします。

FMアレクサンダーが、舞台で声を出そうとがんばりすぎて、枯れた声しか出なくなってしまったというのが、そのいい例です。また、そういう症状を治そうとする過程で、対症療法的になりすぎることも、もうひとつのエンド・ゲイニングです。

目的や、意図をもっていながらも、今、自分がどこにいるかを認識して、そこにいるということ、そしてそこから歩いていく道筋をみつめることが大切です。

こんなふうに書くとストイックな感じがするかもしれませんが、実際はかえってそのほうが味わい深くて楽しい、と、私の経験からは感じます。

でも、がんばり屋さんのタイプの人のなかには、何でもがんばろうとするのをやめることのほうが、とてもチャレンジに感じる人もいるようです。(というか、誰にでもそういう要素はあるのかもしれませんね)。

みなさんはどうでしょうか?

不安かもしれないけれど、がんばらないことが近道のこともけっこうあるのです。

(違う方向にがんばる、と言い換えてもいいかな?)

(2006年11月29日)

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