技術力―サッカー世界のスタープレーヤー
2005
出版芸術社
西部 謙司
http://www.amazon.co.jp/dp/4882932733/
言葉にならないことを言葉にするというのは、うまくハマるとほんとうに面白い!
サッカーの現在の世界のスタープレーヤーの持つ技術を一人一人、言葉だけで描いた本。写真もイラストも全くなく、ポートレイトの絵が何枚かあるだけ。
04-05年に活躍した選手が中心なので、名前と顔はだいたい知っているが、どんな技術を持っているかまでは、そんなにディープなファンではない私はよく知らない人が多い。それに私はサッカーをプレイしないので体験的にもわからない。それなのに、読んでなんでこんなにおもしろいのか不思議。
著者自身も、戦術のように、意図があってそうする、ということのほうが言葉にしやすい、と言っている。「それが技術となると、言葉を重ねれば重ねるほど本質から遠ざかっていく」。でも技術について語るのは単純に楽しいのだ、という理由で書いた本のようだ。
その楽しさは伝染したみたいだ。
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ロナウドの項で、
人間の考えるスピードは体が動くより圧倒的に速い。なので、ストライカーは、自分の動きが遅く感じて、つい焦りが出て、打ち急いでベストフォームでない状態で蹴ってしまい失敗してしまう。でもロナウドはそういう打ち急ぎの失敗が少ない。想像するに、ロナウドのこの落ち着きぶりは、筋肉の反応速度の遅さからきているのではないだろうか。またロナウドは、「自分が遅い」という感覚が少ないのではないだろうか?
というところは、アレクサンダー・テクニーク的で興味深かった。
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