ボストン滞在記 ”言葉だけじゃないダイアログ”

さっき、この旅の最後の授業が終わりました。ケンブリッジ(ボストン近郊)のトミー・トンプソンのアレクサンダー・テクニークの教師養成学校の授業です。

短いあいだだったけれど、とても充実していました。学んだことが自分の身になるまでは、これから家に帰ってからいろいろ探求が必要だと思うので、時間がかかりそうだけど、楽しみです。

今、トミーの学校は、人数が少なくて、私のほかに学生は4人だけなので、ちょうどよいサイズです。

そしてさらに、曜日によって、アシスタントの先生が来てくれるので、充実してます。デビ・アダムスという小柄な女性の先生と、ボブ・レーダというお腹の出てる男の先生と、シンガーだけど文章もうまく頭のきれるアンドレア(彼女はこの学校の先生には珍しく、いわゆる”学校の教師”っぽいネイチャーの人みたいです)が、週に1回づつ来てくれます(アンドレアは2~3週に1回かも?)。

午後は、個人レッスンです。学生にボランティア生徒になってもらって、ワークするところを集中的に見てもらうのをやりました。自分の癖がよくわかってよかったです。

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アレクサンダー・テクニークの学校はたくさんあるけど私がこの学校が、遠いし授業料が高いにもかかわらず好きなのは、この学校の教え方も、チェアワークやテーブルワークの「型」をもっているようでいて、「型」に「はまる」ことはけして奨励されないことです。

(ちなみに、型のあるワークだけでなく、生徒が何でもやりたいことを持ってきて、それをやるワーク~アクティビティも、やります。)

もちろん学び始めは教えてもらった通りにやってかまわないのだけれど、教えられた通りにやっているときでも、自分を観ることと同時に、いかに相手からのフィードバックを聞いているか(言葉でだけじゃなく、黙ってワークしているときでも、手とか、身体感覚をとおして聞くことができる)、それがすごく大事にされているのです。

相手のことを忘れて、自分が「うまくできているかどうか」に気がいっていたりすると、私が何も言わなくても先生にはそれがわかって、「相手から聞くんだよ」と、言われます。また、相手を「もう少しこういう方向にいけばよさそう」と、変えようとしちゃっているときにも、「相手から聞くんだよ」と、言われます。

とてもいい訓練になります。(いや、訓練というと堅苦しいイメージだけど、もっと、瞑想的な感じかな。自分が今ここにいる感覚が、はっきりしてくる感じです。)

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そんなふうにしてお互いワークするのですが、生徒役になってワークされているとわかるけど、そういうような態度でワークしてもらうと、自分のなかから自然に、ひらいてくるものがあったりするのが、実感できます。

それは、先生に何かしてもらっている、という、受け身の感覚とは全然違うのです。

そしてなにかの拍子に押し付けの要素が入ったりすると、それも、ぜんぜん違う感じとして、はっきりわかっちゃいます。

しかしほんとに、押し付けの要素、って、気をつけないとすぐ入ってきてしまいます。瞬間瞬間に気づきを持っていることが、もとめられています。

日本でワークしていたときも、気をつけているつもりで、押し付けの要素がずいぶん入ってしまっていたなあ、と、反省です。。。。。

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まあでもとにかく、ここの学校で、英語がおぼつかなくてコミュニケーションが多少不自由でも何でも、いまいる自分が尊重されていることを感じて、相手の人を尊重することも学んでいる感じで、それがうれしいです。

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ボストンでのアレクサンダー・テクニーク:カテゴリー一覧

 

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2 thoughts on “ボストン滞在記 ”言葉だけじゃないダイアログ”

  1. ゆりこさん
    しみじみと痛感して読みました。
    「相手から聞くんだよ」
    嬉しい 優しい 導きのある言葉に
    瞳の奥で、何か確かなものを見たような気持ちになりました。
    あーそんなレッスンを受けてみたいし
    そんな、レッスンをしていきたいと
    自分に願いました。
    シェアーを、ありがとう
    よしみ

  2. よしみさん、コメントとてもうれしかったです。
    お返事遅くなってすみません。そこんところ共感できて、うれしいです!

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