痛みとリハビリ、固めることとゆるめることと、アレクサンダー・テクニーク

きのうは、つきいちの町田TEENSPOSTでのワークショップでは、スポーツを長く続けておられる方々が参加してくださいました。怪我をされた後、歩く、走る、泳ぐなどに支障が出るようになって、自分の使い方を見直したいとのこと。

痛みや違和感などが体にあるとき、その部分だけに意識を集中させがちですが、そのかわりに、自分の体のなかの各部分の関係性に目を向けてみるとどうでしょう? ということをやりました。

(↑具体的なことはいろいろやりましたが、ひとつひとつを文章で書くのは大変なのでまとめてしまいました。)

たとえば首が痛いとき、直接的に首に働きかけてもうまくいかない場合があります。そういうときに、たとえば地面に着地している足の感覚に着目し、足と地面と、そして首の関係は今どうかな?と目を向けてみる。そうすると、今まで無理にバランスを取っていたところから、より自然なバランスが取れるようになったりします。

とくに怪我をした後は、かばおうとしたり、無理に力を入れることでバランスを取ろうとしたりしがちで、体を固めて使うことが癖になってしまうことがあります。そんなときに、怪我する以前と同じではないにしても、今の自分の体にとっての無理のない自然なバランスを取れるようになるにはどうしたらいいかを、探してみることができます。
なので、リハビリ中の人にも、レッスンはお勧めなのです。

それは、無理に体をまっすぐにしようとしたり、正しい形に自分の体をあてはめることとは違います。

このことに関連してもうひとつお伝えしたいことがあるのです。
アレクサンダー・テクニークを学び始めた人で、
「体を固めること」を悪いことのように思って、罪悪感を持っているような方がいらっしゃいます。
そんなふうに思わなくてよいと思います。

だいたいの場合は、体を固めている、というのは意図的にやっているのではなく、「気づいたら体を固めていた」のだと思いますが、そういう場合、体を固めるのには理由があるのだと思うのです。体というシステムがバランスを取ろうとして固めているのだと思うのです。立っていられるように頑張って仕事をしてくれているのです。

なので、固めているところを、やみくもに「ゆるめよう」とするのではなく、その前に、
・全体性を見てみる、
・ふだん意識しづらい部分に意識を向けてみる、
・上半身と下半身をひとつのものとして見てみる、
などと、自分の体を、新鮮な目で見てみることからはじめるとよいと思います。
それだけで、固めていた部分がいつのまにかゆるんでくるこも少なくありません。

アレクサンダー・テクニークは、体をゆるめることが難しい状態の人にお勧めできるワークではありますが、体を緩めることができるようになるのは、それは、あくまで結果として起こること。直接的に「ゆるめる」ことではないし、「ゆるめなくちゃいけない」ことでもないのです。
このへん、パラドックスのようではありますが、間接的なアプローチであるアレクサンダー・テクニークの醍醐味で、大事なところだなあと、私は思っているのです。

■町田TEENSPOSTつきいちワークショップ
「痛くない、つらくない、きつくない日常動作のために」
次回は8/11(土)です。
お申し込みはこちらのTEENSPOSTのサイトからお願いします。

その人の問題にじっくりフォーカスできる個人レッスンもお勧めです。個人レッスンでも、上記のようなテーマでできます。

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