新しい曲の譜読みをするときや、難しい曲に挑戦するとき、「頑張って見に行こうとする」ということが起こりがちではないでしょうか?
そんなとき、気づかずに前のめりになっているかもしれません。
それによって、腕を動かすスペースが知らず知らずのうちに狭くなっているかもしれません。
視覚から情報を得たいとき、「情報を取りに行く」というより、対象物から情報が「届いてくるのを受け取る」という態度でいるほうがスムーズです。そのほうが、体にそなわっている「見る」という機能が、よくはたらきます。
頑張って眼や体を固めていないときのほうが、情報が入ってきやすい、
ということと、
そして、情報とのかかわり方の矢印を、
自分 → 対象 (=見に行く) と意識するかわりに
自分 ← 対象 (=受け取る) と意識してみる
自分のほうにやってくるものを、受け取る
と、意識してみる。
実際そのように見ると、見ているものの全体像や立体感が自然に認識できた、という声がありました。
体も、生き生きと、動かしやすいままでいられます、と。
あなたにとっては、どうでしょうか?
解剖学的にいうと、
眼球以上に、脊椎のちょうどすぐ上にある脳幹や、後頭部にある視覚野が、
「見ること」に大いに関係しています。
脊椎が伸び伸びとしている状態で、後頭部で見るつもりで、譜面を見てみましょう。
勉強するとき、書物やPCを見るときも、そんなことを意識してみましょう。
ステージでお客さんの存在を捉えるときにも、この意識を応用できるでしょうか?
(『演奏者のためのはじめてのアレクサンダー・テクニーク』p116も参考にしてください。