『だるまちゃんとうらしまちゃん』という、かこさとしさんの遺稿が、福音館書店の雑誌「母と子」の先月号に載ってると聞いて、図書館で借りてきた。
とてもよかった(^^)
『浦島太郎』の絵本、子どもの頃、とてもインパクトがあって怖かった!最後、玉手箱を開けるとおじいさんになるのが…。
でも、怖いもの見たさで、その怖い絵本の最後のページをそーっと開けて、見てしまう、子ども時代の私でした。
かこさとしさんの『だるまちゃんとうらしまちゃん』は、浦島太郎のお話をリスペクトしながら、別の次元の、幸せな話になっていて、うれしくなった!
ラフスケッチのイラストがついていて、それも、すてきです!
ほかにも、かこさんが作った、まちがいさがしクイズなども載っています。
↓
【追加訂正】まちがいさがしクイズじゃなかった。ぜんぶちがうもようよアヒルのなかから、1組だけ同じもようのアヒルを捜すクイズ。
すごいよね!今手元にないけど20匹くらいの同じ形のアヒルの模様が、1組残してぜんぶ違うのです。
かこさんは、昔からミスター・ダイバーシティ!
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本
本の紹介『ペコロスの母に会いに行く』
アレクサンダー・テクニークとは直接関係ないのですが、介護を経験された方の、とてもすてきな本を読んだので紹介します。
『ペコロスの母に会いに行く』 岡野雄一著
長崎の町で、グループホームに預けた母に会いに行く日々を綴ったマンガです。
長崎弁での母子のやりとりのセリフが、とてもいい。
この本と、続編『ペコロスの母の玉手箱』に描かれるのは…
「いまは〇〇だね〜」などという息子に答えて「いまって、いつや?」と問う母の世界は、時空間を飛び越えて、天草の農家に育って子守に追われていた幼女だったころ、結婚して長崎に出てきて必死だったころ、ハゲた息子が目の前にいる「いま」、そして、元、酒癖が悪かった夫に支えられ温和に散歩する、いつかわからない現実…などなど、いろんな次元を言ったり来たりします。その世界ににこにことつきあう息子ペコロスさんにとっての長崎の街も、時間が折り重なって重層的な街になっていきます。
大きな字と、やさしい絵柄のマンガなので、マンガが苦手な母(実の母と義理の母の介護をしてきた。自身は70代でまだまだ元気)にも読んでもらえるかも?
この本については、六車由美さんが紹介さ...
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リンドグレーン
『長くつ下のピッピ』『やかまし村の子どもたち』シリーズなどで、子どものころ大好きだったリンドグレーン作の映画『ロッタちゃん』をこのあいだ見てから、リンドグレーンのことをもっと知りたくなって、図書館で本をいくつか借りてきました。
『平和をつくった世界の20人』という岩波ジュニア新書にも、リンドグレーンのことが載ってました。子どもたちと動物のために声をあげた人とのことで。
リンドグレーンは、工場のような動物の飼育を非難する記事を書き、それによって、スウェーデンでは1988年に動物福祉法という法律が成立したそうです。それは、詰め込みすぎのケージや飼育小屋、電気ショック棒の使用を禁止し、動物がそれぞれの種にとって自然な状態で暮らせるようにすることを求めたものだそうです。
また子どもたちに対する暴力(いわゆる体罰)に反対するメッセージを発し、その影響によってスウェーデンでは親が子どもに体罰を加えることを違法と定められたそうです。
すごい、知らなかったな~。
「子どもたちの態度が、暴力ではなく愛によって育まれているのなら、私たち皆にとって喜ばしいことです。なぜなら、政治家たちの人格ですら...
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『循環と共存の森から―狩猟採集民ムブティ・ピグミーの知恵』
循環と共存の森から―狩猟採集民ムブティ・ピグミーの知恵
2006
新評論
船尾 修
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794807120/
アフリカの熱帯雨林のなかでも、もっとも原生林が美しいといわれる森に住んで、狩猟採集の暮らしをつづけてきた、ムブティ・ピグミーの人たちと一緒に暮らしをひとりの日本人が取材した本。
本の後半の7章~9章あたりの、ムブティの人たちの生活の描写がとくにすばらしい。
私達の先祖も、こんな暮らしをしていたのかな?と、思いを馳せた。
しかし、あえて、今までの研究者のつてを頼らず、いわば、いきあたりばったりで森に入っていった筆者が、その狩猟キャンプにいきつく前に最初に入った村は、カトリックの神父の西洋人がボランティアでサポートしていた村で、その神父は善意からなのだけど、、「狩猟採集に頼る暮らしは不安定だから、彼らの将来のためにならない」と、『労働』の概念をムフディに教えて週休6日制をしいたり、『ボス(リーダー)』の概念を教えたり、いろいろな介入をしていた。そういうことと、ムフディの生活の関係が描かれ...
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技術力―サッカー世界のスタープレーヤー
技術力―サッカー世界のスタープレーヤー
2005
出版芸術社
西部 謙司
http://www.amazon.co.jp/dp/4882932733/
言葉にならないことを言葉にするというのは、うまくハマるとほんとうに面白い!
サッカーの現在の世界のスタープレーヤーの持つ技術を一人一人、言葉だけで描いた本。写真もイラストも全くなく、ポートレイトの絵が何枚かあるだけ。
04-05年に活躍した選手が中心なので、名前と顔はだいたい知っているが、どんな技術を持っているかまでは、そんなにディープなファンではない私はよく知らない人が多い。それに私はサッカーをプレイしないので体験的にもわからない。それなのに、読んでなんでこんなにおもしろいのか不思議。
著者自身も、戦術のように、意図があってそうする、ということのほうが言葉にしやすい、と言っている。「それが技術となると、言葉を重ねれば重ねるほど本質から遠ざかっていく」。でも技術について語るのは単純に楽しいのだ、という理由で書いた本のようだ。
その楽しさは伝染したみたいだ。
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ロナウドの項で、
人間の考えるスピードは体が動くより...
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