音大生に教えるなかで、「音楽家のためのアレクサンダー・テクニークの原理」ってなんだろう?と考えてみました。
教師の数だけ、学ぶ人の数だけ答えがあると思いますが、
私自身は、以下のようなことを、今の時点では考えています。
◎ 自分の中心に居るために
・頭~背骨~骨盤に意識を向けてみること
それによって、
・首の自由さ、手足の自由さが感じられること
◎ 「やりすぎを、やめる」こと
それは何かすることを諦めることではなく、何かをしていく過程で、自分のなかの命の流れを信頼しつつ何かを「する」こと。
その結果、力を入れすぎなくても力を発揮できること。
◎ 自分ぜんぶが一つであると認識すること。
体のそれぞれの部分は、関連しあうことで成り立っている。
◎ 自分のなかの空間と、まわりの世界の空間、双方を認識し直すこと。
◎ 動きを通して考えること。動きのなかで考えること。
アレクサンダー・テクニークは、自分のからだ(その人の”心”や”思い””考え”を含んだ体)に対する信頼を取り戻していくワークだと考えます。
ひとりひとりが、自分のからだの声を聴き、自分の中心に、居ること。
そこから、しなやかさや繊細さをもって
いろんな選択をし、
技術を磨き、
人と交流し、
うまくいかないときや、落ち込んだときも、自分と一緒にいて、
表現したい世界を誠実に表現して人と分かち合う…
そんなことが、できるのではないかと…。
そこには、豊かな味わいがあるように思います。