アレクサンダー・テクニークのレッスンを受けると、今までにあまり経験したことないような身体感覚を感じることがよくあります。軽やかで心地良い感覚を感じる、ということが多いです。いや、もっと、言葉にできないような感覚だと言われる方もいます。逆に時には、慣れなくて不快だったり、むしろ重さを感じたりする場合もあります。それも悪いわけではなく、変化の過程として、どちらも、意味があるものです。
でも、レッスンの後で、「あのレッスンのときの感覚を覚えていよう。それを再現できるようにしよう」と、してしまうのは、実は逆効果なのです。
「感じよう」とするのは、逆効果です。
「感じよう」とすると、過去の記憶のなかに思考が戻ってしまって、「今、ここ」から離れてしまうからです。
そうではなく、今の自分を観察して、思考のプロセスとして、方向性を思って(※)、何が起こるか見てみる。それがアレクサンダー・テクニークです。
どんなことが起こるか、どんな感覚が起こってくるかは、それが実際に起こるまでわかりません。
注意深く観察できるようになると、つねに、少しづつ変化しているのがわかってくるかもしれません。その変化が、好ましい場合もあれば、時にはそうでもない場合もあるでしょう。それでも、レッテルをなるべくすぐに貼らずにいるようにしましょう。よい変化が起こっても、それに執着せずに、好ましくない変化に気づいても、それを振り払おうとせずに、どこかに「ただ見ている自分」が居るような意識状態です。
行きつ戻りつしながら変化して、自分全体が、だんだん統合の方向、自由さの方向に行くのが、長い目で見てはじめてわかることも少なくありません。
※ 「方向性を思う」というのは、アレクサンダー・テクニークの原理のひとつで、アレクサンダー・テクニーク独特のものかもしれません。「意図をもつ」というのと同義といえるかも。たとえば「首が楽で、頭が動いて体全部がついてくる」と思う、等。 方向性の意図をもつことによって、余分なことをやっていたのをやめやすくなって、結果的に楽になり、動きの自由さが出てきます。
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