セラピストの方にとってのアレクサンダー・テクニーク(自分自身の使い方、そして「抑制」について)

先日、リフレクソロジーを学んでいる方々の勉強会の一環として、アレクサンダー・テクニークのミニ・グループレッスンをしました。思えば、ここでワークをさせていただくのも10年目になります。アットホームで温かい雰囲気の教室です。

さて、グループレッスンは、
・頭~首~胴体の関係性について
・腕について(腕はどこからはじまり、どこまであるか? 腕の動きについて)
ということから入りました。

それから、クライアント役と、セラピスト役に分かれて、リフレクソロジーの施術の姿勢/動きをやってみます。すでに学んでおられることなので、やり方は、もうわかっています。

Aさんの場合、クライアント役のBさんの足を前に、椅子に座ると、即座に足に手を触れ、てきぱきとワークしていきます。

でも今回、ちょっとそこから戻ってもらって、ただ座って、手を下ろしている状態に戻ってもらいました。

Aさん自身がそこにただ座っている、そこから手を動かして、Bさんの足まで手が届くまでの間を、なんとなく観察しながら、さっきより少し丁寧に動いていってもらいます。

Bさんの足に届いたら、再び、さきほどと同じように、ワークしてもらいます。

Aさん「さっきより楽だし、自分で違和感がないです。」
クライアント役:Bさん「さっきは、ちょっとタッチが強すぎる感じがしたけれど、今回は、タッチは強くはないんだけど、より深くまで浸透する感じです」。
Aさん「ちょっと意識が変わるだけで変わるんですかね。不思議です」。

そうなんです。ちょっとした意識が、一番大事なんですね。
アレクサンダー・テクニークでは「抑制(inhibition)」といいます。
自分の役割が、クライアントさんにワークをすることであれば、早くそれにとりかかろうとしがちですが、そのことに「ちょっと待ってね」と、一瞬の間(ま)をあたえることを、「抑制(inhibition)」といいます。この一瞬の間によって、結果が変わってくるのですね。たしかに不思議なことかもしれません。

「そういえば、ふだんから、いつも急ぎすぎの傾向があるような気がします」
と、Aさんはおっしゃってました。

「何かをするときの自分自身の使い方」といったとき、体の姿勢とか、腕の角度とか、そういうことを思い浮かべる人が多いようです。
それももちろん大事なのですが、意識の持ち方と切り離して、体だけを考えて正そうとしても、うまくいかないことが多いようです。
形だけになってしまって、なんだかぎくしゃくしてしまうんですね。そうなると、それを何かの行為に応用することは難しくなってしまいますね。

逆に、なにかをするときの、意識のもち方が変わると、体の姿勢や、腕の角度なども、自然と整ってくることは多いです。よけいな気構えが少なくなると、体の知恵(=人間の有機体のシステム)が働きやすくなるのですね。

特に、知識ではどうすればよいか知っているのに、それが、うまくできない、というとき、あるいは、いろいろなアドバイスをもらっているのだけれど、いざやろうとすると、混乱してしまう、というようなとき、「抑制/inhibition」を思い出してみてください。

とくに、やろうとしていることをはじめようとする直前に、自分自身に「間(ま)をあげることを思い出してみてください。ほんの一瞬で、違いが出てくることがあると思います。

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レッスンでは、その人の傾向にあわせて、どういう方向性を思うのがよさそうか、一緒に探してみます

このような形のミニ・グループレッスンは、二人以上で、随時、行っています。(個人レッスンでも可能です。)
ご希望の方は、お気軽に yuriko@littlesounds.com までご連絡ください。

アレクサンダー・テクニークlittlesoundsのサイトはこちらです。

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