「ヨガで片足で立つポーズでふらつかなくなりました。立ちくらみも起こらなくなりました」。

アレクサンダー・テクニークを始めたきっかけは、
以前から自分の頭のイメージと身体の動きが一致してない気がしていたこと、
まっすぐに立つということが分からなかったこと、
ベッドで眠っている時に腰が痛くて眠れないことが多かったこと、
力を抜くということが全く分からなかったこと、
時々息をすることを忘れているような気がすること、
などを抱えていてどうにかしたかった。

身体っていうのは本来もっと楽な状態でいるものなのではないか、
この身体の状態が心にまで浸透してしまったら嫌だなという気持ちで、
身体や自分との付き合い方を探してきた。
色々なことを試したが、ほとんど実感が得られない歯がゆさを感じていた。
そんな時にアレクサンダー・テクニークに出会ったのだ。

アレクサンダー・テクニークを始めて
最初はテーブルワーク。
テーブルワークというのはベッドに仰向け状態で、
先生が身体をあるべき状態に整えている、そういう印象。
カイロとかマッサージとは全く違う。
洗濯物をたたむ時に形を整える、それに似ているかな?
ワークの後、立ち上がってみると足の裏に今までと異なる体重の重みを感じて不思議だった。
立っているということはこういうことか、そう思った。

その後で先生が骸骨の模型で身体の説明をしてくれる。
思っている以上に頭には奥行きがある。首は太い。胴体にも厚みがある。
思っている以上に身体はどっしり出来ているのだ。
そして身体の使い方、立ったり座ったり、頭を動かしたり、声を出したり、をする。
体を動かしている間中、身体の大切なポイントを先生が伝えてくれる。
普通に生活している時に、そういった言葉が頭をよぎる。

アレクサンダー・テクニークとは、いつの間にか忘れてしまった身体を使う上での大切なことを教えてくれるものだと思った。
そして身体が楽になると、心(自分)が身体の中に存在しやすくなるみたいだ。

アレクサンダー・テクニークで変わったこと
週に一度、ヨガをやっている私の一番苦手なポーズの1つに「立木のポーズ」というのがある。
片足で立ち、もう片方の足の裏を立っている足の腿につける。
今までヨロヨロしてしまい、なかなか立てなかった。
少しふらつくけれど、最後まで立てるようになった自分にびっくり。
山のポーズ(まっすぐに立つポーズ)も同様、ほとんどふらつかない。
まだ2~3回しか受けてないのに。

また、子供の頃から立ちくらみが激しく、立ち上がると倒れそうなほど眩暈が起こったり、頭がズキズキしていたのが、今となってはほとんど症状は出ない。

実際、身体にも厚みがでてきた。
鎖骨の形が変わった気がするし、お尻や腿の肉付きも変わった。
ベッドで寝ていても腰に痛みを感じない。

声の出し方にもすこし変化が出て気た。
ヨガでマントラを唱える時、声が引っかからなくなった。
サックスを吹いていても以前より疲れなくなった。
などなど。

身体だけではなく気持ちも変化するようだ。
以前よりも「あたって砕けろ」というな気持ちになり、あまり後ずさりしなくなった。

緊張してばかりなのは相変わらずだけど、緊張の度合いは弱くなっている。
身体の中に重心を感じるようになり、気持ちに余裕が出来つつあるのかもしれない。

…ということで、
こんな風に身も心も今までよりちょっと楽している自分がいます。
先生の言うように、身体は自分が思っている以上に賢くて、
ワークでやったことを覚えていてくれる。
頼っちゃっていいんだ。頭ばっかりに頼らなくっていいんだ。
でもどちらか一方が先走り過ぎたりしないように。
そういうことなのだろう。

そして、アレクサンダー・テクニークによって身体や気持ちは変化するけど、
その変化は今までの自分にサヨナラ、というものではなく、
余計なものを身につけすぎていた自分から本来の自分自身に近くなる、
そういう印象です。
もっと早く出会いたかったな。

(S.Y.さん、30代、2008年)

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