アレクサンダー・テクニークは身体機能を良くするもの、と本で読んで認識していたが、 レッスンを受けてみて、それ以上に精神面や人生観、対人関係に大きな変化があり、びっくりした。
日常生活にとても劇的な変化があった。
最初に物の見方を教わった時に視界がばっと開けて帰りの電車で一車両の端から端まではっきりと見えた。 自分は視野狭窄になっていたんだな、と思った。 それは体の機能だけでなく思考も同じで視野をせばめて窮屈な考え方をしていたと気づいた。
顎関節の構造を知ってから口が楽に空くようになり、ご飯を疲れずに食べられるようになった。 ほかの日常動作でも、もっと楽にできる体の使い方があるのでは?と思い箸の持ち方を気にしたり所作を丁寧に心がけたり、 無造作にやってきたことを大切に行うようになった。そして感じたことのない穏やかな気持ちを知った。
私はそれまで自分の体にコンプレックスがあって人に見られるのが嫌いだった。 レッスンを重ねるにつれて体が立体的になり、首、足や腕がすっと長く見えるようになって自分の体が好きになった。 安定した歩行ができるようになり、外反母趾の痛みが解消された。 以前はデジャブを感じることが多くて人生なんて繰り返しだなーと思っていたが、 一日を充実して感じるようになりデジャブがなくなった。
人と接する時に恐怖を感じたり防衛的になったり人に取り込まれてしまう感覚があったが、 徐々に自分を失わずに人と話せるようになってきた。自分の考えや感情を人に伝えやすくなった気がする。 レッスンを受けている時に、うまく歩けるようになると自然と顔がほころんでしまうことがある。 普段でも余計な体の緊張が減ったためか笑顔になる機会が増えた。
(N.Iさん、25歳)