「生きた音楽が流れるようになった」

めまいや体の緊張、姿勢に悩んでいて色々な治療を受けたが改善せず、日常生活に支障があって困っていた。 めまいがひどかったので様々な検査を受けたが西洋学的にはどこも異常はなく、処方する薬がないのに症状があるのはとても辛かった。 長く続けていたギターも弾けない状態だったが私の生きるモチベーションだったのでまた弾けるようになりたかった。 ある時ネットサーフィンをして自分と似た症状の音楽家のサイトを見つけた。 その人はアレクサンダー・テクニークが最も効果的だった、とあった。 これなら改善できるかもしれない、楽器も弾けるようになるかも、と期待を抱いた。

ギターの演奏はレッスン→本番の演奏を繰り返す中で、めまいや肩の痛みが改善されていき良い演奏ができた、と思う瞬間が増えていった。それに加えて今まで能力の限界かな、と諦めていたところも諦めずに済んだ。たとえば頭でリズムは分かっているのに弾くときにタイミングがずれる、演奏する曲を覚えられない、コードがうまく抑えられない、アドリブがネタ切れになる、といった悩みだが、レッスンを重ねて腕の長さを活かせるようになるとギター本来の音が鳴るようになり、体でリズムをとる、ギターを持たずに曲をイメージする、ことで生きた音楽が流れるようになった。 その時の感動は忘れられない。実際の演奏ではほかのメンバーの音を聴いて助言する冷静さも出てきた。

歌を歌うことはギターよりも緊張するから、レッスンでも声を出すことにためらいがあった。こんなに緊張して良い声がでるわけないと思っていたのに、先生に調整をしてもらいながら声を出すと心に響く声が出て楽しくて、聞き込んだ曲でも新鮮に聴こえた。日常でも声をだすことには苦手意識があったが挨拶や会話が自然とできる機会が増えた。

今までの自分は体が疲れやすい、プレッシャーに弱い、不器用であることに縛られて、自分の可能性に希望を持てないでいた。得意なことも、しっかりやろうとすると自分を追い詰めてしまい、無理してやっているので肉体的精神的負担が大きかった。 しかしアレクサンダー・テクニークを受けてからヒントを得て自分をより良い方向に導いていこう、情熱を傾けられることに力を注ごうと思うようになった。日々に前向きになり、時間の感じ方が丁寧になって自分や相手を気遣うことができるようになった。体調が悪くなっても焦らず、根気強く地道な努力を続けられるようになった。人生が明るい方向に変わってきた気がする。

アレクサンダー・テクニークは、心に目を向ける前に体に目を向けるところ。 体の中をイメージすることで体の使い方が変わり楽になるところ。 レッスンの中で先生に手を貸してもらってあらかじめ良い状態を体感することができるので努力するヒントがもらえるところがよい。

(N.Iさん(女性) ギタリスト,シンガー 2013年)

Share Button

  

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です