『長くつ下のピッピ』『やかまし村の子どもたち』シリーズなどで、子どものころ大好きだったリンドグレーン作の映画『ロッタちゃん』をこのあいだ見てから、リンドグレーンのことをもっと知りたくなって、図書館で本をいくつか借りてきました。
『平和をつくった世界の20人』という岩波ジュニア新書にも、リンドグレーンのことが載ってました。子どもたちと動物のために声をあげた人とのことで。
リンドグレーンは、工場のような動物の飼育を非難する記事を書き、それによって、スウェーデンでは1988年に動物福祉法という法律が成立したそうです。それは、詰め込みすぎのケージや飼育小屋、電気ショック棒の使用を禁止し、動物がそれぞれの種にとって自然な状態で暮らせるようにすることを求めたものだそうです。
また子どもたちに対する暴力(いわゆる体罰)に反対するメッセージを発し、その影響によってスウェーデンでは親が子どもに体罰を加えることを違法と定められたそうです。
すごい、知らなかったな~。
「子どもたちの態度が、暴力ではなく愛によって育まれているのなら、私たち皆にとって喜ばしいことです。なぜなら、政治家たちの人格ですら、五歳以前に形成されるのですから。」
「私たちが望んでいるのは、世話がよくゆきとどいた健康な動物たちが、人間を友だちとして見てくれることで、私たち人間を見た時に恐れてしりごみをしないようであってほしい、ということだけなのです。また、政府の高官に望むのは、家族経営の農業を立ち行かなくさせるような法律を通さないでほしいということです。政府は家族経営の農業を支援すべきなのです。」
いまこそ必要なメッセージだなあ。
「ピッピ(=長くつしたのピッピ、リンドグレーンが書いたお話の主人公)には並はずれた力がありますが、その力を誤って使ったことは一度もありません。それがとても素晴らしく、たいそう難しいことだと思うのです。」
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これを書いたあと、リンドグレーン作『わたしたちの村で』という小説も知って読んだ。これも、とてもよかったなあ。少し大きくなった子ども&大人向きで、一番読みでがあるかも。
子どもと動物と大人のかかわり合い興味がある人におすすめ。
写真はスウェーデンのお隣フィンランドの、ヘルシンキ郊外の牧場より。