アレクサンダー・テクニークのハンズオン(触れることを使ったワーク)

アレクサンダー・テクニークのレッスンのなかでで生徒さんに触れるとき教師は、生徒さんが、たとえば筋肉でがんばることや、ふんばることなどが「もっと少なくても動けるよ」「もっと少なくても安定して立っていられるよ」、などということを指し示す指標として、触れています。

それを体感できると、リラックスできるし、力を発揮できるようになります。

アレクサンダー・テクニークで手を使ったワークを取り入れると、施術なのですか?と言われることがあります。たしかに施術を受けたようなリラックス効果があるけれど、私たちは施術とは言っていません。なぜなら、手を使ってはいますが、手で直接働きかけると意図しているわけではないからです。

マッサージするわけでもないし、気を送っているわけでもない。

(ときどき、はじめてレッスンを受けた人から「気を送っているんですか? ぽかぽかしてきました」とか言われたりするけれど、意図的にはそういうことはしていません。

ただ、気というのは意図しなくても、邪魔しているものがなくなれば、循環するものだということは言えるのかもしれません ー だから結果として、暖かくなったり、循環がよくなったり、そういう現象が起こること自体は、不思議なことではないのでしょうね。)。

アレクサンダー・テクニークのレッスンをするときの手は、ついていく(フォローする)手、”聴く”手です。プラス、たまに方向性を提案する手です。

どれだけ少ない力で動けるか、とか、どれだけ少ない力で何かの姿勢をとれるか、ということのための運動指導として、手を使っています。足すのではなく、引いていくヒントとして。

もうひとつ、これはそれ以上に重要かもしれないのですが、「運動」「動き」ということ以前に、生徒さんが、自分の体=自分自身がそこに存在している、ということを、よりはっきりとらえられるようになるために、触れるということをしています。

どこかに連れていくための手というより、今そこにいる、ということを認識する助けとして、手を使う、アレクサンダー・テクニークのユニークな手の使い方です。

 

Share Button