この写真は、先月はじめに京都であった、ピーター・グルンワルドの”アイボディ(Eyebody)”の合宿のときのものです。京都の北部の修学院というところにある関西セミナーハウスのなかに、100年前につくられた能楽堂があって、今回はそこを会場に、三泊四日のセミナー合宿がありました。
その最後の日の朝、視覚の経路をたどる瞑想を、みんなでしていたら、猿たちが大勢、庭をとびまわっていて・・・。
すごいスピードで庭の端から端までかけまわったり、木に登り、そこから、とととと、と、足音をさせて、屋根に登り、すごく元気な猿たちでした。
子どもを連れた親たちが、何家族か、いるようでした。
大人の猿や、走り疲れた猿は、屋根のてっぺんに上って、のんびり座っていました。
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さて、アイボディとは、ピーター・グルンワルドさんが、アレクサンダー・テクニークやほかのワークを、自分自身の経験をもとに独自に発展させてできた、目の使い方、そして脳の使い方のワークです。
ピーターは10センチ先もぼやけるほどの近視だったそうですが、今は全く眼鏡を使っていないのです。でも、ワークショップは単に視力をよくするのが目的というだけでなく、自分の目そして脳の使い方の癖を知りそれを変えて、より生き生きと、”今に生きる”ためのものでした。
私自身も近視で、部屋の中では大丈夫ですが、外出のときには眼鏡を使っています。
でも、そういえば合宿のあと、眼鏡をかけなくてもあまりストレスを感じていないです。
以前は、見えないことにストレスを感じていたのですが、最近は、外を歩いていて、文字などは見えないこともあるので、文字を読む必要があるときは眼鏡をかけるけれど、ほかは、「見よう!」とがんばらなくても自然と入ってくる情報を、前より信頼できるようになって、前よりリラックスできるようになったような気がします。
合宿の詳細については、盛りだくさんだったので全部は書ききれませんが、そのなかで、ワークをそれぞれの日常のことに応用するワークをやったときのことを書こうと思います。
歌を歌う、コンピューター、折り紙、お札を数える、など、それぞれの人が、いろいろなことをやって、見ていてとても興味深く、自分の日常にも応用できるヒントが得られました。
私は、鞄のなかから物を取り出す、ということを、みなさんの前でやって、先生のピーターに見てもらいました。
私はいつも、鞄のなかに物をつめこみすぎる傾向があって、そこから必要なものを取り出そうとしたとき、なかなか出てこなくてあせる、ということが、よくあるのです。
それで、鞄からお箸をとりだす、ということをやってみました。
マイ箸をせっかく持ち歩いているのに、必要なときに見つからずに、結局割り箸を使ってしまう、ということが多かったのです。
まず、いつものようにやってみると、
「君は、見ないで取り出そうとしているようだね」
と言われました。
「暗いし、鞄の中には物がたくさんなので見えないし、でも見えなくても、手の感覚でわかると思ったんです」
と言ったら、
「見えなくても、視覚野を使ってごらん。そのものを視覚化(ヴィジュアライズ)して、思い浮かべてごらん。
ヴィジョンがリードして、動きがついてくる、そういう意図を持ってみて。」
と言われました。
それで、自分のお箸入れの色や形を思い浮かべてから、もう一度鞄に手をいれてみると、
あらふしぎ、すぐにお箸がみつかりました。
その一連の私の動きを見ていたほかの参加者の方々が、
「動きがさっきと全然ちがっていた。茶道をやっているみたいに、手が美しく見えた」
などと、言ってくれました。
たしかに、最初は(=いつもは)、無駄な動きがすごく多かったな、ということは、自分でもわかりました。
アイ・ボディは単純に目の使い方というより、脳の使い方なのだ、ということは、概念として聞いてはいたけれど、
実際に見えないものを探すときにも使えるんだな、
ということが、具体的な日常動作で経験できたことは、とてもよかったです。
それで思い出したのですが、以前、視覚障害者の人に会ったとき、その人の動きが、無駄がなくてとてもきれいだったことです。
すごいな~、どうしてそんなことが可能なのだろう?と思っていたのですが、そうか!目の見えない人は、きっとそういうふうに視覚野を使っているのでしょう。
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この合宿より話はさかのぼりますが、誕生日の日に同居人が、「なぞの旅」をプレゼントしてくれました。
行き先を知らせずいろいろおもしろいところに連れて行ってくれるということで。
雰囲気のよい映画館で、言葉のない映画を見たり、夕日がきれいな山にのぼったり、森のなかのレストランに行ったり、たのしかったのですが、
そのとき、しばらく目隠しをして、手をつないでもらって歩きました。
そのとき気づいたのが、目隠しをして歩くと、意外にも、自然に背筋が伸びて、歩くのがいつもより楽だった、ということでした。
いつもは、無意識に、前に見えるものの刺激に反応して、気がつかない程度に顔を前につきだしていたのかもしれません。
安全な環境をえらんで、目をつぶって歩くことをやってみること、お勧めです。
首を楽に、と思うと、バランスを取りやすいですよ。
こちらは、今年の2月に個人レッスンに参加したときのこと。
アレクサンダー・テクニークlittlesoundsでの、アレクサンダー・テクニークのレッスンのスケジュールはこちらをご覧ください。