きょうの生徒さんのひとりは、曲を作り始めて間もないシンガーソングライター。人前で歌うのも、はじめてあまり日が経っていない彼女が、恥ずかしがりながら、レッスンの中で自分の曲をうたってくれた。
とてもすてきな歌だったのだけど、思うように演奏できなくてミスをしたことなど、とても気にしていた。
でも、聴き手としては、ミスがあったとは全然気づかなかった。
歌の世界全体からすれば、ミスなんて、全然気づかないほど。
自分が作った歌詞や、歌の出来についても、本人としては、まだまだ全然満足していないようだった。
私からすれば、充分いい歌だった。殿堂入りの名曲とまでは言わないけれど…。
歌っていうのは、完璧なメロディや、完璧な歌詞じゃなくても、
歌詞やメロディにおさまりきらない思いさえも載せて運んでくれるもののように思える。
いま世の中で歌われている歌も、そういうものなんじゃないか?
まだ、とまどいながら、疑いながら歌っているような彼女。
その、とまどいや、疑いさえも、素敵なんだけど、
これから歌い続けるにつれて、
とまどいや、疑い以上に大きい
彼女の思いがもっと、歌にこめられてきて、同じ歌に、もっともっと命がふきこまれて生きていくんじゃないか?と、想像した。
楽しみだな~。