感想「自分を大切にするコミュニケーション」講座
今月、アレクサンダー・テクニークの生徒でもある美野直子さんと、「自分を大切にするコミュニケーション」講座をやりました。
私はアレクサンダー・テクニークを基にしたワークを担当し、美野さんはアサーティブ・トレーニングを担当したのですが(両方、略すとATなのが、ご縁を感じますねとメイさんは言っていた )、今日は美野さんのアサーティブ・トレーニングの感想のほうを書きます。
アサーション・テクニックに関しては、正直、私は全然知りませんでした。ただメイさんが力をいれておられるワークだから、興味を持ったのです。
「アサーティブ(アサーティブネス)」という言葉は、直訳すると「自己主張」になるので、自己主張を学ぶワークだとすると、うーんどうなんだろうな、という感じもしたのです。
でも美野さんは、自己主張というより自己表現~自分の気持ちを表現できること、そして相手を尊重することもふくめたテクニックであり、考え方なのですと強調されてました。カウンセリングの仕事をしていて、こじれてしまった人間関係を抱えた人々に会うなかで、そうなる前にお互いに自分を表現できるやり方を私達が知っていたら、そんなふうにこじれる前に解決できることはいっぱい(もちろんそれだけではないけれど)あるなと思うようになったそうです。
表現したい気持ちがあるのに表現できないのは、自分の気持ちが把握できなかったり、身についてきたパターンだったり、やり方を知らなかったり。。
それで、気持ちがたまってキレてしまったり、うつになってしまったり、人間関係が壊れてしまったりする。。そんななかで、自分を表現するやり方もあるんだ、ということを学び、選択肢としてそれを持つことが役に立つのでは、と思ったそうです。
少し、Nonviolent Communivation (アレクサンダー教師のルシアがアレクサンダー関係者たちに紹介してくれた)とも似ています。
でも今回、美野さんのワークが私にとってよかったのは、日本という環境で起こりそうな身近な題材を、例として準備してくれていて、「あるある、こういう状況、なかなか言えないよねー、言いたいこと」という状況を用意してくれたことです。
それと、言葉だけでないボディ・ランゲージなどのノンバーバルな情報が、コミュニケーションのなかですごくたくさんを占めている、ということも強調されてました。それも含めて、どう伝わったか、自分自身の反応や相手の反応を確認しながら進めていくのです。
アサーティブ・トレーニングも米国からの輸入ものなので、そのまま持ち込むと、日本という環境ではちょっと違和感がある。メイさんもそのへんを感じて、そ試行錯誤しながらやり方を変えていかれたそうです。とくに自分自身で実際に使いながら研究していかれたようです。
そうそう、自分自身の例も織り交ぜて説明してくださったのも、とてもよかったです。そんなにシリアスな例ではない、いわば、なんてことないお話なので、文字で読んだだけのときは流して読んでしまったのですが、実際に自分自身の例をロールプレイングで見せてくれると、なんだかすごく、ぐっと来ました。
その後も、短い講座のなかでいきなりシリアスな状況でやろうとしても、傷ついてしまったりして、むずかしいので、あまり個人的な問題じゃない、簡単な例からやっていきましょうということで進みました。
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美野さんのていねいな講座の進め方も、とても勉強になりました。参加者が安心して学んでいけるようにと、すごく考えられていました。
とくに気に入ったのは、注意事項として、「自分を大切に。気が進まないときはパスしていいです。パスするとき、その理由はいりません。」と言ってくれたこと。”その理由はいりません”というのが、とてもいいなあと思いました。
「自分を大切にするコミュニケーション・ワークショップ」の概要はこちら。
私(石井ゆりこ)のアレクサンダー・テクニークのサイトはこちらです。