ヴィオラの演奏と、「気づきのフィールド」

アレクサンダー・テクニークは、からだだけのことではない。

今日、来られたヴィオラ弾きの方は、曲の中で難しいところがあって、そこにくると体がかたくなってしまう、とのこと。
そこを、弾いてもらった。わりと速いパッセージのところ。

リズムと、オーケストラ全体の音を含めてイメージして、もう一度弾いてみたらどうだろう?と、
弾いてもらったら、
さっき、ぎこちなくてつっかかりぎみで、単調な音だったのが、つっかからなくなって、音楽的な抑揚もでてきて、
体の使い方も、おのずと変わっていた。

体の使い方を意識しなおすことによって体の使い方が変わる場合もあるけれど、
そういう場合だけではない。

わたしたちは知らず知らずのあいだに、意識をせばめてしまっていることがあって、
(あー、むずかしい、どうしよう、と思ったときとか)、
意識がせばまると、体もそれに反応してちぢこまってしまう。

音楽にそもそもリズムがあって、多層的で、立体的で、動きつづけているものであることを思い出すだけで、それが、変わる。からだの本来の自由さが出てくる。

「今まで音符が記号に見えていた、と、今気づいた」と、その人は言っていた。

自分がかかわっているものとの関係性のありのままを、
どこかだけを切り取ってしまわずに、見てみる、
そういう、気づき。

Frank Pierce Jones (アレクサンダー・テクニーク教師で、FMアレクサンダーの直接の弟子のひとり)は、そのことを、統合された気づきのフィールド Unified field of Attention 、ひろげられた気づきのフィールド Expanded field of attention と言って、述べている。

音楽だけでなく、そのほかのいろいろなことでも、そうですね。

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