セミスパイン~家でできること

「セミスパイン」、「建設的な休息(constructive rest コンストラクティブ・レスト)」などと呼ばれている姿勢をとって、休む方法を紹介します。

床か台の上に仰向けになります。もし床が冷たい場合は毛布などを敷きましょう。(布団はちょっとやわらかすぎるのでこのワークにはお勧めしません)。
仰向けになって、頭の下に本、あるいは柔らかすぎない折り畳んだバスタオルを置きます。(首の下ではなく、頭の下に置きます。首の下には空間があるように)。本の厚さは、首の前と後ろがちょうどよいバランスで、首の前後どちらかがひっぱられないくらいの厚さです。1~1.5センチぐらいの単行本ぐらいでちょうどよい人が多いですが、もっと厚いほうが合っている人も多いです。人によっては本がなくてもよい場合もあります。体格や、緊張の度合いによって異なります。

頭・首・胴体を床に休め、手のひらを、お腹か左右の腰の骨の上に置きます。そのときに、肘は胴体から離し、鎖骨、肘、手のひらで大きな三角形を作るようにします。鎖骨、肘、手のひらまでの腕全体を動かす動きによって、首や肩がより休まりやすくなるでしょう。

足の長さをイメージして、膝が、膝の裏側がリードして天井に向かうようなつもりで、膝を立てます。(つまり、太ももの筋肉で足を持ち上げなくてよい)。
足の裏全体が床に楽に着いています。骨盤はリラックスしています。

そのまま、どこも動かさなくてよいので、しばらく(10分~30分位)休みます。

骨盤も含めて胴体全体が床やテーブルの上で休んでいて、本の上で頭が休んでいて、足の裏も床に休んでいます。自分で自分を支えたり、持ち上げたり、固めたりする癖は、出てきにくくなっています。

持ち上げたり、固めたりするのをやめると、さらに、緊張や、固めていたところが少しづつ緩んで、体本来の長さや広さ、厚みや奥行きが取り戻ってきて、関節の自由さ、柔軟性も取り戻ってきます。

それを”感じよう”としないでください。感じられないからといって、自分で伸ばしたりしなくていいです。ただ、何もせず観察しつつ、時間をとってください。

どこも動かす必要はなく、ただ寝た姿勢で自分をなんとなく見ているいるだけでよいです。海を見たり、ローソクのゆれる炎を見ているときのように、動きのあるものを眺めている感じです。体の細胞は、意識していなくても、実はつねに動いています。

もし手足などを動かしてみたい場合は、自分の体をひっぱったり、無理に伸ばしたりせず、ゆっくり観察しながら動かしてみてください。(←これは応用編)

十分時間を取った後、そろそろ起き上がりたくなったら、
まず、まだ何もしないまま、起き上がることを考えてください。
首は楽なままでいられるでしょうか?
首は楽なまま、頭がリードするようなつもりで、頭がバランスを取るつもりで、ひとつひとつ、動きをゆっくり観察しながら、立ってみましょう。
一度横向きになってから立つのが、無理がないと思います。

今まで床と水平にいたのが、だんだん、立つにつれて、垂直の関係になっていきます。
はじめて立ったときのような気持ちになるかもしれません。
足が地面についていて、体がカーブを持ちながら縦に伸びていて、一番上に頭があります。
首が楽に、頭で楽にバランスをとって立っています。
立つと、体が軽やかになったり、伸びたり、姿勢が変わっていることに気づくかもしれません。
その後、歩いたり、動いてみると、動きが変わっていることに気づくかもしれません。

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この「セミスパイン」は、自分の使い方の癖をリセットするための方法のひとつです。

仕事が終わった後にやると、疲れを取る役に立ちますし、
はじめる前にやると、いつもの癖に入らずにそれをする助けになるので、パフォーマンスが向上したり、いつもより楽にできることもあるでしょう。
時間と場所があれば、まめに、やるとよいです。
一日に一回でも、数回でも、あなたにとってほどよい頻度で、やってみてください。
忙しい方でも、こういう時間をとることで、かえって一日が効率的に使えるようになるはずです。

※ もし膝を立てていることが難しい場合(よけいな力が入ってしまう場合)は、膝の下に椅子を置き、椅子の上に膝から下を乗せる形でやってみるとよいです。
あるいは、そのほうがやりやすければ、片膝だけ立ててもよいし、両膝を伸ばしていてもよいです。)

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