痛みとのつきあい方(腰痛、手の痛みなど)

たとえば腰痛など、体に痛みがあると、そこをかばってしまいがちです。
でも、かばおうとすることによって逆効果になってしまう場合があります。

かばおうとして、動かさないようにして、固めてしまうのです。
本当に安静にする必要がある場合はもちろんそれでよいのですが、
痛みがありながらも日常の動作はやりたい、というような場合、
固めてしまうと、”固めながら動かす”ということになって、無理が生じてしまいます。

たとえば、腰痛があるけれど、ものを持ち上げないといけないようなとき、手だけで持とうとしてしまうことがあります。それは逆に、腰を痛める原因になってしまいます。(あるいは、手を傷める場合もあります)。

あるいは、もうひとつのパターンは、痛みを無視して、無理やりがんばって動かすことです。これも無理が生じがちですね。

まず首を楽にしましょう。
(痛みが気になると、気づかないうちに、首を固めたり、縮めたりしていることが多いです。そして首を固めると、体のほかの場所の動きも制限してしまいます)。
もっと正確に言えば、「首が楽になることを許してあげましょう」。
首を楽にするためにあれこれのことをしなくていいです。
そういう”つもり”になってみるだけでいいです。そう”思う”だけでいいです。

痛みがあると、どうしても痛みのある箇所に意識が集中しがちです。
そして、その狭い意識の範囲内だけでなんとかしようとしてしまいます。でも、何ともならないことが多いですよね。
まず、集中しすぎた意識を”溶かして”もっと広い範囲にいきわたらせましょう。

そして、ゆっくり自分を観察しながら、少しの動きでもいいので、体全体を使って動いてみましょう。
体のなかの、目立つ動きがない箇所も、サポートとして重要な役目を果たしています。
腰から下を固めて上半身だけで動いているのに気づいたら、足も思い出して、地面のサポートがあることを思い出してみましょう。
(”感じよう”とする必要はありません。足があったな、地面があったな、と、思うだけでいいです。)

股関節(足の付け根の関節)を思い出し、そこから上、全部が、広い胴体であることを思い出すことも役に立つかもしれません。つまり、ウェストで切り離して考えないということです。曲げるときは股関節で曲がります。

(股関節から膝を立てて仰向けに寝る、”セミスパイン”の姿勢で休む時間を持つと、このことがわかりやすいです。)

ていねいに、体全体のつながりを見ながら、固めないで動かすと、痛みが出にくいです。

ちょっと言葉だけではわかりにくいことも、書いてしまったかもしれません。細かいところはあまり気にしなくてよいので、考え方の部分を、応用してみてください。

具体的なことは、レッスンのなかで、その人に合うことを、やれる範囲でやってみましょう。やりすぎないことが肝要です。
むしろ、「やりすぎをやめること」が、レッスンの中心になります。

「やること」より大事なことは、意識のしかたを変えてみることです。
それだけでも、違いがあると思います。
そして、「しないこと」を学ぶことが大事です。

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手の痛みの場合、
「首が楽になることをゆるす」ことからはじめるのは同じで、そのあとの考え方も同じですが、具体的には、

 ・腕は立体なので、腕の表側だけじゃなく、腕の裏側(後ろ側、内側)も動きに参加していること。
 ・腕の長さ全体を意識すること。
 ・腕の主要な関節、とくに、ひじを意識すること。
 ・ひじから手の先までのつながりと、その長さを意識すること。
  ひじから手までの長さ(前腕と、手首)を縮めてしまっている場合が多いと思います。手首を意識しすぎず、手からひじまで全体を、長く意識するとよいです。
 ・指先を、持って行きたいところに持っていくためには、ひじの角度をどうすればよいかを考える。

などを思うことが、助けになると思います。

これも、言葉だけではわかりにくいかもしれませんが、参考までに。。
(全部やらなくちゃ、と思わないでくださいね。あくまでも、やりすぎないように。材料としてそのときに使えそうなものを使ってください。)

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