「絵を描く」こととアレクサンダー・テクニーク

屋根の上の椰子の葉アレクサンダー・テクニークのレッスンの中で、「絵を描く」というアクティビティをやりました。

私のレッスンでは、前半で、最初に頭~首~背中の長さやバランスのことなど、基本的なワークをやった後、後半、生徒さんがやりたいこと、アクティビティに応用してみる、ということをよくやります。それが今回は「絵を描く」ことでした。

座って紙を出して、ペンを持って、さあ絵を描こうとします。

そうすると、その前の基本的なワークの時間にやっていた頭~首~背中の長さとバランスが一瞬にしてくずれてしまいました。

なぜでしょう?

私たちは何かをするときや、何かに働きかけるとき、それが自分にとって大事なことであればあるほど、その対象となる物のほうに意識がいって、自分自身への意識がおろそかになりがちなんですね。

絵に集中しているのだから仕方がない、と思われるかもしれません。

でもそうでしょうか?

レッスンでは、もう一度、自分自身全体を思い出し、そこから絵に働きかける、ということを、やってみました。

「自分自身をまず調整する、ということですか?」
「調整する、というと、何かやりすぎてしまうかもしれないので、今のありのままの自分自身を認識しなおしてみる。という感じでしょうか?」

そうすると、自分と、対象物との関係性がクリアになってきます。

今回のレッスンの場合は、
「細かいところがみえてきて、細かいところが描きこめるようになった。
より集中できるようになった」
と、生徒さんは言われました。

別の回の、同じく絵を描くレッスンでは、
自分自身を認識しなおすとき、
「体が、胴体も、頭も、立体であることを思い出してみて。体は前と後ろだけではないですよね。側面もありますよね。」と、言葉と手でアドバイスしてみたら、

「視野も立体的になりました。対象物が立体的にみえてきました!」

と言われ、描く絵も変わってきました。

絵を描くことだけでなく、ほかのことでも、人との関係にも応用できると思います。

まず自分自身に意識をむけ、そこから相手にはたらきかける。

よかったら、いろいろな場面で、試してみてください。

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写真は、我が家(鵠沼スタジオ)の屋根の上に、大家さんが椰子の葉をのせて日よけを作ってくれたところです。なんだか南国みたいになりました。

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