アレクサンダー・テクニークのレッスンの中で、「絵を描く」というアクティビティをやりました。
私のレッスンでは、前半で、最初に頭~首~背中の長さやバランスのことなど、基本的なワークをやった後、後半、生徒さんがやりたいこと、アクティビティに応用してみる、ということをよくやります。それが今回は「絵を描く」ことでした。
座って紙を出して、ペンを持って、さあ絵を描こうとします。
そうすると、その前の基本的なワークの時間にやっていた頭~首~背中の長さとバランスが一瞬にしてくずれてしまいました。
なぜでしょう?
私たちは何かをするときや、何かに働きかけるとき、それが自分にとって大事なことであればあるほど、その対象となる物のほうに意識がいって、自分自身への意識がおろそかになりがちなんですね。
絵に集中しているのだから仕方がない、と思われるかもしれません。
でもそうでしょうか?
レッスンでは、もう一度、自分自身全体を思い出し、そこから絵に働きかける、ということを、やってみました。
「自分自身をまず調整する、ということですか?」
「調整する、というと、何かやりすぎてしまうかもしれないので、今のありのままの自分自身を認識しなおしてみる。という感じでしょうか?」
そうすると、自分と、対象物との関係性がクリアになってきます。
今回のレッスンの場合は、
「細かいところがみえてきて、細かいところが描きこめるようになった。
より集中できるようになった」
と、生徒さんは言われました。
別の回の、同じく絵を描くレッスンでは、
自分自身を認識しなおすとき、
「体が、胴体も、頭も、立体であることを思い出してみて。体は前と後ろだけではないですよね。側面もありますよね。」と、言葉と手でアドバイスしてみたら、
「視野も立体的になりました。対象物が立体的にみえてきました!」
と言われ、描く絵も変わってきました。
絵を描くことだけでなく、ほかのことでも、人との関係にも応用できると思います。
まず自分自身に意識をむけ、そこから相手にはたらきかける。
よかったら、いろいろな場面で、試してみてください。
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写真は、我が家(鵠沼スタジオ)の屋根の上に、大家さんが椰子の葉をのせて日よけを作ってくれたところです。なんだか南国みたいになりました。
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投稿者プロフィール

- ATI認定アレクサンダー・テクニーク教師(教師歴25年)
国立音楽大学非常勤講師。20歳でアレクサンダー・テクニークに出会い、1600時間の養成課程を経て1999年に認定取得。その後米国ボストンのAlexander Technique Center at Cambridgeで学ぶ。野口整体、プロセス思考心理学などにも関心を持ち、学びを深めながら、「自分の心身全体を自分のものとして取り戻す」アレクサンダー・テクニークのレッスン/講座を指導している。
【主な著書】
『演奏がもっとラクになるアレクサンダー・テクニーク実践のヒント48』(ヤマハ)
『無駄な力がぬけてラクになる介護術』(誠文堂新光社)など。
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