レッスンは回を重ねると、どのように進んでいくのでしょうか?

アレクサンダー・テクニークのレッスンには、教師によっても、シチュエーションによっても、いろいろな進め方がありますが、littlesoundsでのレッスンでは、「同じことを繰り返す」ことと「新しいことをやってみる」ことの両方をレッスンの中でやります。

教えていて、また自分で学んでいて思うのは、「同じことを繰り返す」部分はとても大事だし、また、とても奥が深く、おもしろいということです。
楽器の練習やスポーツでの基礎練習と同じともいえますが、何回か、実際にやってみると、言葉で聞いたときに思うかもしれない、単調だったりストイックだったりという印象は、なくなっていきます。

繰り返してやることの例をあげてみますね。

・頭~首~胴体の関係性について
・立ったり座ったりする動き(チェアワーク)
・ライダウン(寝た姿勢)のワーク
・歩く
・ウィスパード・アー、呼吸、声を出す
・腕のワーク
・モンキー、ランジ(胴体~股関節~足)
・椅子の背に手をおく
・etc.そのほか

こうやってリストアップしたのを見ただけでは、これがどういうふうに、日常や専門分野に生かせるのか、すぐには想像ができないかもしれませんが、やってみると、日常にも専門分野にも、とてもつながります。

このなかの全部でなくても、いくつかのことをやっていきます。これ以外のことをやることもあります。これらは、やり方は基本的に毎回ほぼ同じなのですが、そのときのその人の体の状態や、そのときその人の意識の向け方によって、同じことをやっているとは思えないくらい、違う結果があらわれてきます。
このようなことを、普段の癖や習慣的な反応と、新しい可能性と、行ったり来たりしながら繰り返して、レッスンは進んでいきます。あなたの体の反応も変化するし、新しい可能性もさらに増えてきます。

初回のレッスンや、最初の数回のレッスンのうちは、大まかな違いを発見し、認識するだけで精一杯だと思うし、それで十分です。大まかであっても、「自分のからだはこうなっている」また「自分とはこうだ」という認識は、思い込みにすぎなかったということ、そして、それにおさまらない自分のなかの新しい可能性を発見して、驚く人が多いです。

それだけでも学びになると思います。ただ、それで、「アレクサンダー・テクニークはこういうことか」と、結論づけてしまうのは、少々勿体無いように思うこともあります。もちろんそれは、その人それぞれの自由なのですが。でも、これからもっとおもしろくなるんだけどな、と、思うこともあります。

その後で日常生活に戻って、またレッスンに来ての繰り返しのなかで、今までの癖と、新しい「自分の使い方」との折り合いがだんだんついていくにつれ、より深い部分や、細かなところに気づきが起こり、より深い変化が起こるようになってきます。

「同じこと」をやっても、その中身が、やるたびに、深まっていきます。

レッスンの合間に、その人の「日常」を生きる時間があるというところが肝です。

自分自身について根本的に学ぶためには、急いでいろんなことをやろうとするよりも、「同じこと」を繰り返して、その人なりの日常生活に少しづつ落とし込んでいくことが、大変、意味があります。

人によってはもちろん、時間をかけなくても、すでに機が満ちていて、短時間で多くのことを得る方もいます。それも、人それぞれです。

人によっては、たとえば楽器を演奏される方は、楽器を構えること、ロングトーンで音を出すことなどを、上のリストに加えてもいいです。ただ、その人にとって意味が大きくなりすぎていないシンプルなことから入るほうが、やりやすい場合も多いです。

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「新しいことをやってみる」のは、応用編といえるでしょうか?

・特定の動きをやって、それをみてみる
・からだの特定の部分やその動きを少し詳しく見てみる
・日常動作、仕事の動作、専門的な動作、趣味の動作に応用してみる
・歌を歌う、しゃべる
・特定のシチュエーションを設定して、そのときの自分の反応をみてみる
・そのほか、いろいろ

レッスンを受け始めて、人によっては、レッスン時間の中で上のようなことを直接やらなくても、すでに、日々の暮らしや専門分野で、いろいろなことが変わり始めているのを実感している方も少なくないと思います。たとえば声のことを直接、レッスンの中で何もやっていなくても、「声が出やすくなった」と言われたりすることはよくあります。それでも、レッスンの中でやってみることで、アレクサンダー・テクニークを、日常や、専門分野にどう応用したらいいかが、より、わかりやすくなると思います。レッスンの時間のなかでもなるべくこのような時間はとっていきたいし、あるいは、家でどのように応用できるか、考え方のヒントや、陥りやすい注意点もあわせて、お話ししていきたいと思います。

かりに教師がその分野にあまり詳しくなさそうでも、ご自分の状況を説明して質問してみてください。教師はわからないことは、わからないと言いますが、教師がわからないことであっても、アレクサンダー・テクニークの原理と考え方を使って、一緒に検証し、実験してみることで、自分の癖がわかり、別の可能性がひらけてくることはとても多いです。

アレクサンダー・テクニークの原理と考え方を使って、あなたの専門分野を違う見方で見直してみる機会として使ってください。

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アレクサンダー・テクニークのレッスンには、一般的な教室と違って、決まったカリキュラムはありません。
(学校によってはあるところもあるようですが、あってもガイドラインとして、あまりそれにしばられないで進めていると思います)。
その人のプロセスをみながら、その人に合わせて進めていきます(←特に個人レッスンでは)。

アレクサンダー・テクニークは知識として覚えて身につける学習とは違う種類の学習だからです。
あなた自身が自分を知っていくプロセスのなかで、体験的に、確かめながら、自分のものにしていくプロセスです。
ひとつのことを、その人に必要なだけ時間をかけて、その人の身になるように進めていきます。
落ちこぼれることもないし、優劣を競うこともありません。
教室のなかでたくさんのことをこなしていなくても、自分に必要なだけの時間をかけて確実に身につけたものがあれば、それはあなたものです。それを使って、日常であれ、専門分野であれ、思いがけないシチュエーションでさえも、人生のあらゆることに応用していってください。

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One thought on “レッスンは回を重ねると、どのように進んでいくのでしょうか?

  1. 繰り返しやって見ること大切ですね
    ゆっくりと感じながら、今一度してみます。
    ・頭~首~胴体 ・立ったり座ったりする ・歩く
    ・呼吸、声を出す ・腕のワーク
    とくに、初歩から身体を見直してみます。

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