sketch of shimokitazawa
2005
曽我部恵一
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000BV7U4C/
下北沢はステキにごみごみした路地の多い、庶民的な町で、ミュージシャンやアーティストも多く住んでいる。そんな下北沢に大きな道路をつくる再開発ばなしが浮上しているらしい。http://www.stsk.net/
その計画に反対する意味もあってつくられたこのCD
― と言っていいのかどうかはわからない、というのは、このCDの内容は、とても穏やかで、ここに住んで生活していることのよろこびが、淡々とつづられている。
なかには、「有名な踏み切り」という短いエッセーが綴られている。下北沢にある開かずの踏み切りの話。踏み切りが開かなくて、ふつうなら人は怒るところなのに、なんかこの踏み切りへの愛情が感じられるエッセー。
それからCDのなかで、「下北沢の道路の計画についてどう思いますか?」と、曽我部さんがだれかにインタビューをしている。でもよく聴いてみたら、インタビューされているのは、「小鳥のチイコさん」だった。チィチィ、と、インタビュー答えている。
そう、道路の計画の影響を受けるのは、人間だけじゃないもんね。
そのほかの曲たちは、とくに下北沢の固有名詞などは出てこないけれど、普遍的ないい曲だ。演奏は、かっこいいベースが入った「七月の宇宙遊泳」と、女性ヴォーカルの入った「Oh!ブルーバード」以外は、曽我部くんがひとりで演奏している。アレンジもシンプルで、家のなかで撮りましたというような感じ。
どれもシンプルな曲なのに、ちっとも単調に聞こえないのは、曽我部さんの才能かもしれないけど。。
手元にあるものが、そのまま音楽になる。
そのことの、かけがえのなさ。