「話すことが苦手なんです」と言われる方、けっこういらっしゃいます。私自身も、話すことは昔から苦手なので、いつも共感するのですが、最近思うは、「話すことが苦手」の中身は、人それぞれだなあ、ということです。
・人前で話そうとすると、声が出なくなる。
・人前で話すと、早口になる。
・吃音する。
・話はできるが、話をした後に、ものすごく疲れる。
・言いたかったことが、言えずに話し終えてしまう。
・緊張してしまい、会話を楽しめない。
・どうも、うまく伝わるように話せない。
・対話ならいいが、一人でまとまった話をするのが苦手。
・聞き手のことがうまく考えられない。
・聞き手のことを考えすぎてしまう。
などなど。
また、苦手なシチュエーションも、
・雑談
・人前で話す
・特定の相手と話す
・説明する
・自分のことを話す
・外国語を話す
など、さまざまです。
その人それぞれによって、ある場面では大丈夫けれど、ある場面では、「頭が真っ白に」なってしまったり、うまくいかないということがあるのが、興味深いなと思います。
私自身、子どものころは吃音もあり、話すことは昔からとても苦手でした。アレクサンダー・テクニークに出会ったことで、昔よりはずいぶん楽に話せるようになりました。でももっといろいろな場面で楽に話せたらいいな、と思うし、それは可能なのだろうと思います。みなさんと一緒に、アレクサンダー・テクニークをツールにして、それぞれにとっての「話すこと」―その難しさ、楽しさ、可能性を探究してみたいと思います。
話すことが得意な人も、歓迎です。
1) 楽な呼吸や発声について
…プライマリー・コントロールを思い出し、やりすぎをやめる
2) 聞き手の存在を認識しつつ、自分を見失わないでいるために
3) 自分なりの、話す意図を明確にする
…話す意図は、人によって違っていい。
…「こうでなければいけない」という思い込みを手放す。
というようなことを見ていきながら、参加者それぞれ、その人らしく話し、聞き合うことを通して、アレクサンダー・テクニークを学び、人生に応用していく時間にしたいと思います。
学ぶ時間であるとともに、その場に何か生まれる時間、そのものも味わえたら嬉しいです。
【石井ゆりこについて】
1988年にアレクサンダー・テクニックを学び始め、1999年に教師認定(ATI)、以来、東京と神奈川を拠点として教え続けている。
音楽家、介護職・対人援助職の方、肩こりや腰痛、対人緊張などに悩む方などに教える。
野口整体、プロセス指向心理学も学んできた。自分の心とからだを自分のものとして取り戻すというテーマに興味がある。ギター弾き語りが趣味。
著書『ラクになる介護術』(誠文堂新光社)
『演奏者のためのはじめてのアレクサンダー・テクニーク』(ヤマハミュージックメディア)
【ワークショップ概要】
3/6(日), 4/10(日), 5/15(日) 10:30~13:00
東京都文京区内(お申し込み後、ご案内します)。
参加費:3回12000円。
(1日単発5500円、2日参加10000円)
定員:8名
講師:石井ゆり子