私たちは本当にあらゆる場面で、見るという行為をしています。
パソコンをする、ケータイをする、本を読む、街を歩く、美術館で絵を見る、電車に乗る、キャッチボールをする、料理をする、楽器を演奏する、道具を使う、人と話す、人に働きかける etc. etc.
見るときの癖、いろいろありますよね。
見てて、目が疲れたり、首や肩が痛くなるという人も、少なくないと思います。
私がアイ・ボディ(アレクサンダー・テクニークを見ることと脳の使い方に応用したワーク)のセッションで学んで、なるほどと思ったことのひとつに、
見るということは、目でやっているのではない
ということがあります。
目(眼球)は、光を通している。
その光が視神経を通って後ろに上に届き、脳に届く。
後頭部の上部にある、上部視覚野に届く (脳のなかの一番後ろ部分に視覚野があるそうです)。
そこではじめて、光の粒子を認識できる。
明るさ、色、輪郭、奥行き、動き などとして、認識する。
アイ・ボディのセミナーに行くと、さらに詳しくワークできますが、
ここではおおまかに、
見ることは、頭の後ろでやっている。頭の後ろで見ている。
目は光を通すだけ
と、思ってみると、どうでしょう?
こちらから見に行かなくても、むこうから光線が入ってきて届き、脳がそれを受容し、認識している
ということなのです。
見るために、よけいなことをやりすぎていたなあ、と、思います。
もっとよく見たいと、顔をぐっと近づけて、見ようとすることも、よくありがちですが、そうしたからといって、見やすくなるわけではない場合が多いですね。
それよりも、緊張を手放して、視覚の通り道をひらくという意図を持つと、見え方が変わって、より立体的に、より生き生きと見えたりします(註:感じ方の変化には、個人差があります)。そして何より見ることによっての疲れが出にくくなります。
まずは、見るときに、自分がどんなふうに目と、脳(頭)の後ろを使っているだろう? ということを、ちょっと観察してみるとおもしろいと思います。
見ようとするときに、首が自由かどうか、首を押し下げていないかも、あわせて観察してみてください。
私のアレクサンダー・テクニークのレッスンでも、見ることを、いろいろな日常のアクティビティのなかでどういうふうに行っているかを観察し、改善するためのワークができます。興味がある方はお問い合わせください。
(アイ・ボディとしてではなく、アレクサンダー・テクニークのレッスンとして行います。)
年に2回の、海外来日講師によるアイ・ボディのワークでは、さらに詳しく個々人の問題にあわせてワークできます。そちらもお勧めです。しかし機会が限られているので、アイボディを受ける前、受けた後に、見るという課題をもちつつアレクサンダー・テクニークのレッスンを受けられることはおすすめです。
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