アルプスの少女ハイジ

このあいだ、「アルプスの少女ハイジ」のDVDを借りてきて見た。

あまりテレビを見ない家に育ったのに、この番組だけは毎回かならず見てたので、すごく懐かしい。

数十年ぶりに見てみると、まず、テーマソングと一緒に出てくる雄大なアルプスの風景がすばらしい。テーマソングの曲の演奏も、かなり本格的なんじゃないか?

あとで調べたら、ヨーデルとアルペンホルンを現地録音して、日本で撮った歌と合わせたとのこと。当時、そんなことをするの画期的だったと。(今でもアニメソングでそんなことしないよね。)

 

物語がはじまると、さらにすてきなシーンがそこここに。

木の器で飲む山羊のミルクや、暖炉でとろけさせたチーズと、黒いパンのおいしそうなところは、子どもごころにも印象に残っていたなあ。
5歳のハイジがおじいさんの家に来て、
「私、どこに寝たらいいの?」
「好きなところに寝たらいいさ」
と、おじいさんに言われて、
トコトコと、屋根裏にあがっていってそこにあった干し草のやわらかさとあたたかさに感激して、自分でそれを窓の下に持って行ってベッドを作り、あと必要と思うもの=シーツとかけぶとんをおじいさんに要求するところとか、いいなあ。
おじいさんが、グリーンウッドワーク(今、再評価されている生木を手作業で加工する木工)の方法で、削り馬にまたがって木を削り、釘をつかわずに足をはめ、あっという間にハイジの椅子を作ってあげるシーン。
調べたら、原作はキリスト教色が強く、おじいさんは教会に行かなくなって町の人からも相手にされず頑固な性格になって孤独に暮らしているけれど、ハイジに会って心がほぐれて、最後には神に許しを乞う、というような話だそう。(ちゃんと読んだら細かいところはそんな単純なものではないだろうし、インターネットをうのみにしてこう書くのも無責任ではあるけれど)。
でも、山で一人暮らししているおじいさんをネガティブに描かず、むしろ、山で暮らす人の誇りに光を当て、そこでの生き方の価値に光を当てて描いている、宮崎駿、高畑勲ほかの、このアニメの企画&制作陣のひとたちはすごいなあ。先見の明があるなあ!

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