Listening Through Touch-触れることで聴く

アレクサンダー・テクニーク教師、トレイニーのみなさんへ
デビ・アダムスさん来日ワークショップの早割締め切りが明日になりました。
さっそくお申し込みをしてくださった方々も多くいらっしゃいますが、
まだまだ空きもあります。

今回の教師向けワークショップのメインテーマは
「Listening Through Touch-触れることで聴く」。

今、尚子さんが、フランク・ピアス・ジョーンズの”Freedom to Change”の本を訳してくれていますが、この本のなかにも、アレクサンダーのワークにおける触れることの重要さとユニークさについて、たびたび触れられています。

私個人の話をすると、
私は、アレクサンダー・テクニークのトレーニングをはじめるまでは、「触れる」ということにとても苦手意識がありました。
触れると、自分のなかの変なものが、相手に伝わってしまうのではないか? と思っていました。

でもそうではなく、「触れることで聞いている」
そして、「手では、何もしていない。non-doing hands でいるのが、むしろ望ましいのだ」
ということを知って、
目からうろこでした!

私にとっては、そういうふうに触れるのなら、触れることが怖くない、
という体験の、はじまりでした。
最初はそれでも、恐る恐るでしたが、
練習を積み重ねることで、「ほんとうに何もしなくていいんだな」
ということに信頼ができてきて、安心して「何もしない」でいるということができるようになってきました。

そしてそれが、アクティビティや、触れないで行うレッスンにも、応用できることが、だんだんわかってきました。

アレクサンダー・テクニークを学び始めて、いろいろな先生たちのレッスンを受けました。
最初は日本人の先生はまだいなかったので、ヨーロッパやアメリカの、いろいろな流派の先生たちが日本に来るたびに、レッスンを受けていました。

ユズルさんが、ひとつに限定せずにいろいろなルーツをもつ先生たちを呼んでくれ、また、ご自分が呼ばなくても、そういう先生が日本に来ていると知ると、まずはご自分で受けてから紹介してくれ「ぜひ受けるといいよ」と言ってくれました。

KAPPAのトレーニングコースにも、24人だったかの先生たちが来てクラスを受け持ってくれました。

最初はどの先生のレッスンも新鮮でした。でもだんだん、自分の好きな方向性がはっきりしてきました。

ハンズオンに関しても、
「何もしていません」と言いつつも、特定の方向に連れていかれるようなハンズオンのレッスンもありましたが、
私が好きなのは、どこかに連れていかれるのではなく、内側から、方向性とか、何かが現れてくるようなハンズオンであり、そういうレッスンだ、ということが、だんだんわかってきました。

先生がより多くのことを知っていて、生徒はそれを素直に受け取って、学ぶ、
というパラダイムとは違う、
先生に権威があるのではなく、権威は生徒ひとりひとりにある、そういうレッスンでした。

そういうふうな教え方をしてくれる先生は何人かいて、私はそういう先生たちが好きでした。
そして、卒業して、ボストンのトミーの学校を訪ねたとき、当時、初対面だったトミーとそのお弟子さんの先生たちは、まさにそのことを学校の方針として教えているんだな、とわかりました。
それで「できるかぎりここでたくさん学びたい!」と思ったのでした。

トミー、ボブ、ジェイミー、デビetc. 教え方はそれぞれ違ってユニークですが、皆、本当に生徒を尊重してくれているのが実感できるハンズオンをしてくれるのが共通していました。

自分が何かが充分ではないからもっと自分を変えなければ、と思わせられるのではなく、
すでに自分のなかにある、ということをわからせられるハンズオンでした。

デビは、そんなハンズオンについて「手は最後」「レファレンス・ポイント」というような、
言葉を使って、わかりやすく教えてくれました。

参考までに、デビが2019年にティーチングについて教えてくれたときに残してくれた
「アレクサンダー・テクニークを教えることの10の掟」がこちらです。

6年経っているので、今回はまた違うアプローチで教えてくれることでしょう。
でも、「10の掟」についての質問も、歓迎してくれるはずです。
デビは、質問に答えるのがとても好きなタイプの先生です。
そして、「日本の人たちの質問は、私に深く考えさせてくれるから、とてもありがたい!」
と、言っていました。


今回の来日ではまた、「Unified Field of Attention(注意の統合された場)」というテーマもあります。
このテーマを題したワークショップは、1/8と1/10ですが、
それ以外の日、教師向けワークショップの日も、そもテーマは関係してくるはずです。

アレクサンダー・テクニークの原理について語るとき、Unified Field of Attentionについて含めて語られることは、今まで少なかったように思います。でもこのことはすごくアレクサンダー・テクニークにおいて大事なのではないか、と、私も思います。

ご都合がつきましたら、ぜひどの日でもご参加お待ちしています。
1回だけのご参加もいいですし、複数回参加して体験的理解を深めていただくのもぜひおすすめです。
明日が、早割の締め切りです。

詳細・お申し込みはリンクをクリックしてご覧ください。

ご質問やご要望ご相談も歓迎です。yuriko@littlesounds.com