新学期

新学期

みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
学生さんや、学校にかかわる方、お子さんをお持ちの方にとっては、新学期ですね!
会社員や公務員の方がたにとっても、新年度ですね!

いろんなことを乗り越えて、よい1年になりますように!

震災後、早くも1ヶ月になろうとしていていますが、私自身、いろいろに気持ちが揺れる日々です。そんな中、いらしてくださる生徒さんとの時間が、私自身にとって、力になったり、癒しになっています。

来てくださってありがとうございます!

(こちらの事情で延期などにしてしまった生徒さん、ごめんなさい。また近いうちに日程があえばうれしいです!)

—–

レッスンを受けていて、なぜか涙が出た、と言われた生徒さんが、何人かいらっしゃいました。悲しいわけではないのに、なぜだろう? と言いながら。。

意識化で動いていたいろんな感情が、少し解放されたのかもしれないし、意識していても、いなくても、緊張が続いていて、それがゆるんだのかもしれませんね。

私自身、震災後、とても緊張していたのが、友人とのやりとりで、涙が止まらなくなって、泣けたら、だいぶゆるんだ、ということがありました。

単純に体がゆるんだということもあるし、自分の感情に正直になれたということもあるのかもしれない。

緊張していることがいけないわけではないし、必要な反応でもあるけれど、なんらかのきっかけで、少しゆるむことで、より、自分自身に戻ることができて、いろいろな判断をしやすくなればいいな、と思います。

なかなか、安心できない状況のときでも、自分のなかに落ち着ける場所があって、そこから、必要な情報とコミュニケートできるようになればいいな、と思います。私にとってもチャレンジですが。

—–

生徒さんのなかには、もう何日も経ったし、日常に戻ってやるべきことをやるべきだ、とか、あるいは、被災した方のためにも何かやるべきだ、と思うのだけど、日が経っても前のようにできない、と言われる方も何人かいらっしゃいました。

私も、そういう感じがあります。

今は少しスローダウンして、自分にやさしく丁寧に、できる範囲でやる、ということを、自分にゆるして、いいのじゃないかな? と思います。

社会全体の話として、ここから立ち直るのには年月がかかると思います。なので、動ける人は動いて、今動けない人は、じっとしているのもよし、スローダウンして、力を蓄えておくことで、のちのち、役割があると思います。

たぶん、みんなが、震災の後、少し変わったんじゃないかと、そして、変わる必要があるんじゃないかと、そんなふうに感じます。

—–

最近、レッスンでは、声を出してもらうことが多いです。
声を出すのは、体のなかが循環して、血の巡りがよくなって、生命力を取り戻すために、よいです。

歌を歌うのもいいですね。

家でも、よかったら、ちょっと大きめの鼻歌を、歌ってみてください。

(歌声は、自粛しなくていいと思いますよ。)^o^()

石井ゆりこ

Share Button
原発おつかれさま。そしてエネルギーをシフト

原発おつかれさま。そしてエネルギーをシフト

福島原発は、70年生まれなので、私が2歳のときに生まれた。ほぼ同世代。
日本が「豊か」になることにがんばってくれていた。
でもその代償は大きかった。

がんばって働きつづけて、ぼろぼろになっても、止まることがむずかしい。

でも、お疲れ様。
もう、休んでいいんだよ。

オンライン署名をみつけました。
枝野さん 安全な電気がほしいです オンライン署名

福島原発の「廃炉」を求める有志の会

上関原発建設をとめよう

↑これから作られようとしている原発。
瀬戸内海の漁師さんたち住む島のある、すごく美しい海のところが建設地。
このあいだ、その祝島を描いた「祝の島(ほうりのしま)」という映画を見た。
自然と調和した人々の暮らし、すごく元気なお年寄りの笑顔、3人だけの子どもたちを島の人みんなで見守る姿勢など、とても印象的だった。
福島もそうだけど、なぜ原発は、こういう美しい、都会よりずっと自給的に近い暮らしを人々がしているところに建てられるの?

浜岡原発を停止しよう
↑静岡県、東海地震が起こるといわれている活断層の真下にある原発。
東海地震が起こったら、直下型地震の可能性が高い。
首都圏にも影響が大きい。

——-

●エネルギーシフト

省エネとエネルギーシフトを組み合わせて徐々に移行していって、2020年には電力の20%を自然エネルギーに、2050年には100%自然エネルギーにする、
というヴィジョン。

エネルギーシフトを考えている人たちが増えている。
そのリーダー的なひとが、
環境エネルギー政策研究所
をいうのをつくった、飯田哲也さんで、
彼は、原子力畑出身だそうです。

飯田さんの、今の現状をふまえた、最新のレポートはこれかな。
PDFだけど、図解も載っているので、眺めるだけでも、希望がもてる。自然エネルギーへのシフトは不可能じゃないんだな、ということがわかる。

自然エネルギーっていうのは、水力、太陽、風力、地熱、バイオなどで、
とくに私は今、地熱発電が気になってます。
アイスランドは地熱発電が100%近いらしい。火山がある国だとできるんだそうです。
しかも、アイスランドの地熱発電の設備は日本製らしい。

それで、菅総理が数日前に、これからは自然エネルギーで行く、という趣旨の発
言をしたので、それを応援していきたい。

(信用できない、と言ってる人もいるようだけど、彼個人を信用できるかどうかというより、やろうとしている内容を応援する人が増えればいいわけだから。そうしたら、仮にこれから政権が変わろうと、いいわけだから。)

環境エネルギー政策研究所(ISEP)によれば、分散型の再生可能エネルギーは、地域経済の活性化にもつながるそうです。
遠い場所や、外国に支払っていた光熱費(原発のお金や、石油代)が、今度は地域でまわるようになるとのことです。そうなったらすばらしいと思う。

Share Button
本をとどける

本をとどける

みなさんこんにちは、

先日、鎌倉にあるお店が、被災地に送るためにぬいぐるみを受け付けているという話を聞いて、我が家にいるぬいぐるみ達を持っていきました。

玉川学園に教室があったときにいらしていた方は、カーテンレールの上に座っていた、不揃いのぬいぐるみ君たちを覚えていらっしゃるかもしれません。彼らのうち、10数名に、福島の相馬市の子どもたちの友達になりに行ってもらいました。

鎌倉では、被災者の受け入れも盛んで、これから、被災者の方たちに仕事を紹介したりもできるようにしたい、と、いろいろ考えているようで、頼もしいなあ、と思いました。

さて、それとは別に、
被災地に本などを届けるプロジェクトをいくつか見つけました。
よかったらご参考にしてください。

パレスチナ子どものキャンペーン
締め切りました、とのことです。(4月5日現在)
大槌町の現地での活動報告がブログに載っています。
子どもの支援のほかに、家と家財をなくされた方々の写真とアルバムの汚れ落しと整理などもしているとのこと。

1.絵本と子ども向けのマンガや本 本
2.おもちゃ(電池のいらないもの) クマ
3.ぬり絵(色鉛筆と鉛筆削り付)

送り先 〒379-2304 群馬県太田市大原町38-1
行き先 岩手県大槌町

高田高校(陸前高田)図書室に本を届ける

校舎が全壊し、本校の図書室の本も全て流出・破損してしまった高田高校に本を届ける。
本が好きな生徒が多い活気ある図書館だったそうです。
校舎移転のため、5月2日以降に到着するよう、お願い申し上げます。とのこと。

震災により被災した大学受験生のために、ご不要の教材を実家(気仙沼)の塾を
起点に募集
http://blog.goo.ne.jp/cma510/

仙台在住のプランナーがトラックで本を届けるプロジェクト
http://honforjapan.net/


ひがしにほんに本をとどけよう

直接ホームページからの受付は終了しているが、下のほうに、仙台などの受付先が書かれています。

Share Button
3月31日

3月31日

みなさん、おはようございます。
お元気でしょうか?

カレンダーを見たら、大地震のあった3月11日から20日が経っていて、ちょっと驚きました。

毎日の生活や、アレクサンダー・テクニークのレッスンをするにつけても、今までとちがった意味になってくるような、その意味を問われているような気がする今日このごろです。

ひとによっては、連日のニュースが気になりつつも、追うのが大変、になってきている方もいらっしゃると思います。ニュースを消して、自分の好きなことに接する時間や、体を動かす時間、声を出す時間などを、多めに取って、自分を十分ケアしてくださいね。

そして、まだ、普段どおりに何もかもやろうとせずに、いつもよりゆっくりペースを自分にゆるしてあげることも大事だと思います。

ひとによっては、震災に関して、何か小さなことから自分のできることをしたい、ということで、寄付などをされた方や、これからしたい、と考えておられる方もいらっしゃると思います。

そこで、今日はここで、小さな団体の活動をいくつか紹介したいと思います。

●宮城県の木材会社、気仙沼の避難所にペレットストーブを届ける。ペレットストーブは燃料代も灯油よりも安く、安全で、平時はもちろん、災害時にも役立ちます。
今後、国産木材での安全な住宅を被災地に建てる計画も考えていきたいと考えている。継続的な支援のために募金を募集中。
http://bit.ly/igmcb8

●仙台在住の有志がはじめたプロジェクト。わが家で処分しようと思っていた本も活かせるかも。http://honforjapan.net/ 「津波で本が流されてしまった地域に、本を届けたい。…みなさんの、思いが詰まった本を送ってください」

↓こちらは、被災者受け入れについて。
福島原発周辺にお知り合いがいる方はぜひ。

●つなぐ光、沖縄で受け入れ先リスト。 http://tsunaguhikari.jp/houses 福島原発から100キロ圏内の妊婦さんと子ども連れ家族を優先的に受け入れています。
旅費がない人もサポートします。

ほかにも、いろいろな団体が、あちこちで、大きな活動や小さな活動をしているようです。今日はとりあえず、きのう、今日で、目についた小さな活動をご紹介してみました。

私はこの間、いろいろなことを考えて、なかなか考えがまとまらないこともあるのですが、みなさんの近況報告や、(ご相談などもあれば)、報告していただけたらうれしいです。yuriko@littlesounds.com 090-2535-6009

レッスンも受け付けています。ご連絡をお待ちしています。

石井 ゆりこ yuriko@littlesounds.com

 

Share Button
震災のときの子どものケアについて

震災のときの子どものケアについて

みなさん、いかがお過ごしですか?

国際モンテッソーリ協会理事の深津高子さんから、
「幼い子どもたちが避難する際のケアについて」
というレポートが、私が購読しているメーリングリストあてに届きました。

子どもの目線に立った、すばらしいレポートだと思います。

後日註 )震災の直後に届いたレポートでしたが、震災以外のトラウマに遭われた子どもや大人のケアのためにも役立つと思います。
また、避難に限らず、引っ越しなど、環境が変わるときの子どものケアにも役立つと思います。

避難している子どもたちはもちろん、首都圏でいまのところ被害が少なくて、地域にとどまっている子どもたちをケアするときにも、役に立つと思います。深津さんの許可を得て掲載します。

地域にとどまっている子どもたちと、保護者の方がたには、後半の
【地震のときの対応】【被災地での本や話の内容】が、とくに役に立つと思います。
また、【避難先に着いたら】のなかの、「手や体を動かしましょう」「お手伝いもしてもらいましょう」というのも、家でもできることですね。

そしてもちろん、平常に戻ったときの子どもとの接し方にも、普遍的に役に立つと思います。

また、深津さんも最後に書いているように、大人が安心することにも役に立つと思います。

 

もくじ
【新しい避難場所が決まり、移動する時】
「0歳から3歳 穏かに安心感を伝えましょう」
「3歳から6歳 具体的に伝えましょう」
「6歳から12歳 大切な価値を伝えましょう」

【避難先へ向かう準備】
「自分のことは自分で」

【避難先に着いたら】
「0歳から3歳 場所や順序を保ちましょう」
「手や身体を動かしましょう」
「お手伝いもしてもらいましょう」

【地震のときの対応】
「言葉以外の表情や仕草にも配慮をしましょう」
「怖さを軽減してあげましょう」
「言葉をいったん受け止めましょう」

【被災地での本や話しの内容】
「現実に即した絵本を読んであげましょう」
「Good Newsを子ども達に!」
「安心感を与えるためにできること」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【新しい避難場所が決まり、移動する時】

「0歳から3歳 穏かに安心感を伝えましょう」

まずどんなに幼い子どもでも、大人がせわしく動いたり、険しい表情の大人が真剣に話しあったりしていると、「何かいつもと違う」、「何か変化が起きる」ことを感覚的に察知しています。

ですからお子さんが乳児でも、18か月の赤ちゃんでも、 2歳児でも、きちんと目を見て、これから何が起こるかを平常心で話してあげてください。

大袈裟に「遊びに行くんだよ!」と嘘をつくより、「みんなで一緒に、○○というところに(電車、バス、新幹線etc)で行くんだよ。」と事実を穏やかに伝えてあげてください。

また「大人も一緒に行くこと」を強調して、不必要な心配を取り除いてあげましょう。2,3才なら小さなリュックに水筒や必要最低限の軽い荷物を背負うこともできますね。

マスクをいやがる様だったら、いつもうまくいくとは限りませんが、何かマジックで絵を描いてあげると効果があることもあります。

「3歳から6歳 具体的に伝えましょう」

行く場所の固有名詞をきちんと伝えましょう。「○市にある誰々さん宅のお家…」のように、できるだけ具体名をきちんと伝えてあげることで、不安感が減少します。また交通手段も教えてあげると、鉄道好きの子どもたちは、それだけでも嬉しい要素が増えます。

地図を見せて、「今ここだけど、ここまで行くんだよ」と具体的に説明することが安心感を与えます。

「どうしてお家を離れるの?」「いつまでいるの?」と聞かれることもあると思います。各家庭で判断して、分かりやすい言葉で説明してあげるのが一番だと思います。

但し、「遊びに行く」というよりも、「ここにいると、だんだんと空気が汚れてくるから、もっときれいなところに行くんだよ」

「空気がきれいになったら帰ろうね」などと説明してあげると、なぜ道中マスクをしなければならないか、なぜお茶やジュースを飲むときにも、ストローでマスクの隙間から飲むのかなど、いろいろな注意すべきことに理解を示し協力してくれて、移動の道中が少しでもスムーズになるでしょう。

「6歳から12歳 大切な価値を伝えましょう」

この時期は、3-6才の時よりずっと学校の友だちやグル-プ活動が大事な時期にきています。友だちとしばらく離れるので、是非、滞在先の住所、電話番号などを教えてあげましょう。

もしかするとインターネットで避難場所への一番効果的な交通手段、時刻表などを検索するお手伝いをしてくれるかも知れません。そうすると、道中の交通手段が自分の調べた通り行くと、子どもは家族の役に立ったと感じ、家族の一員として小さな自信につながります。

できる範囲で、きちんと今の状況を話してあげましょう。もう既に TVや映像で、もうかなり見て知っている子もかなりいます。原発の話し、放射能の話し、子ども達が被爆しないように安全な場所に移動することの価値など、科学的な数字ももう分かる年頃です。

もしかするとチェルノブイリのことも調べて知っている子も多いでしょう。TVから日々、何度も何度も繰り返される津波や地震や原発の恐怖を知らせる映像は、できる限り制限しましょう。反面、できる限り前向きのニュース、「80歳のおばあちゃんが助かった」、「病院に足りなかった薬が届いた」など、実際に起こったよいニュースを伝えてあげましょう。

小学生になると想像力が旺盛になるので、いろいろな質問攻めにあうでしょう。

「いつまで家を離れるのか」、「新学期から学校に行くのか」、「友だちも一緒に同じ場所に行くのか?」

3歳から6歳の頃と違って、かなり先を見通す力や洞察力の表れだと思って、感情的にならずに対応してあげてください。

また「友だちの○ちゃんちは行かないのに、どうしてウチだけ行くの?」という質問もしてくるでしょう。これも6歳から12歳という集団を好む時期に現れるごく自然な脳の働きです。

つまり倫理観や道徳心、正義感などが強くなり、大人の自己矛盾に気づいたり、親が白黒はっきりしないことなどに対して強く抗議してきます。

ですから、この機会は、その家庭なりの「大切にしている価値観」を伝えるよいチャンスだと思って、わかりやすく説明してあげましょう。「お母さんたちは、あなたが宿題をするより、生命の方が大事だと思うの」とか「生命は大切なもの」「あなたは掛替えのない大切な人」ということを伝える良いチャンスになるかも知れません。

【避難先へ向かう準備】

「自分のことは自分で」歩き始めた子どもは、身の回りの自立(くつを履く、服を着る)ができるようになりますが、3-6才や小学生になるとある程度の荷物作りもできます。これは自分の荷物を自分でつくるという自立の絶好の機会です。

目的地の季候や住まいの様子を伝え(または調べさせ)、自分で必要と思える衣服や下着、文房具などを最低限の荷物を、自分でリュックなどに詰めさせることです。

兄妹姉妹が多い家庭なら既にやっていると思いますが、このような緊急事態に備える為にも、自分のことを自分で考えるきっかけにもなります。

そして、自分の荷物は自分で持つことが鉄則ですので、自分が抱えきれないような荷物は、最初から持たないこと。あまりに沢山持って行きたい子どもには「AとB(またはC)の中でどれがいい?」と選択肢を与えて、よく自分で考えるチャンスを与えてあげましょう。

【避難先に着いたら】

まず何歳であれ、「よく最後まで頑張ってついてきたこと」 を誉めてあげてください。疲れているし、何が何だかよく分からない様子かも知れませんが、一緒に遠い旅をしてきた
ことをねぎらいましょう。

「0歳から3歳 場所や順序を保ちましょう」

子どもに、お世話になる家人を紹介するだけでなく、部屋のオリエンテーション(説明)もしましょう。(『デチタ!』の22~23ページ参照)

赤ちゃんでも抱っこして、ここで寝るんだよ。ここで食べるんだよ、遊んでいいところ、トイレ、お風呂などです。そしてオムツを変えるのも、授乳(哺乳瓶でも)、いつも同じ場所(一つの部屋であっても同じコ―ナ―)でします。食べるのも同じ場所で、ころころ変えないことが新しい場所に慣れる一番の近道です。

0歳から3歳の時期は秩序の敏感期なので、順序や、位置が同じであることに子どもは安心感を得ます。お布団の位置や寝る方向も同じようにします。オムツを変えるときの儀式(話しかけることば、足のマッサージなど)や、寝る前の儀式(絵本を読むなど)があれば、それも毎日同じルーティーンでしてあげてください。

もう歩ける子だと、家のどこに何があり、使い方、注意などを現場に連れていってゆっくり話してあげてください。あまり難しいことを沢山話す必要はなく、きっと疲れているので、簡単に全体的なオリエンテーションすることで安心感を与えます。

「手や身体を動かしましょう」

0-6才は、運動の敏感期にいて、動くことで学ぶ時期なので、彼らは毎日動く必要があります。

それはスポーツでも、お手伝いでも、大工仕事や料理、特にもちつき、田植えなど、人とする協同作業がいいですね。もしあるようなら、ボール(赤ちゃん用の柔らかい小さいボール、サッカ―ボール、膨らませるタイプの大きいボール)、縄跳び(短いのと、大縄両方)、バドミントンなどの2人でできるゲーム類。また単純な遊びですが、ゴム風船をふくらませて、パッと手を離しそれを皆で追いかける遊びも大好きです。

反面、あまり外で遊ばないタイプの子どもでも、手や腕を動かして何かを描くことも楽しいでしょう。言葉に出せない悩み、小さな胸に抱えている心配などを表現することにもつながります。

「お手伝いもしてもらいましょう」

この時期の子どもにとって、「遊ぶ」ことと「お手伝い」の境目はありません。できる限り昼間は外で遊んで、食事の際に歩行児ならお皿やコップを運んだり、調理のお手伝い(サラダをちぎる、混ぜる、ジャガイモの皮をむく、ゆで玉子の殻をむくなど)に参加させましょう。もし他の家族もいて大家族で滞在している場合、2、3歳くらいなら「配膳」「お片づけ」「枕ならべ」などを手伝ってもらいましょう。4、5歳くらいで力のある子なら、「布団しき」「布団たたみ」「風呂の掃除」など、ゴシゴシ系も大好きです。自分の衣服を畳んだり、同じ場所に自分の荷物を置いたりして、あたらし場所でも秩序(いつもそこにある)が一番安心感をもたらせます。

6歳から12歳なら、もっとダイナミックな手伝いができるでしょう。ある意味でボランティア的な活動です。同じ年齢の子どもたちがいれば、グループで相談して問題解決をし、決めたことを実行するのは最高ですね。なにせ彼らは「プロジェクト」が大好きなのです。

【地震のときの対応】

リンク先12「言葉以外の表情や仕草にも配慮を」まず大人が(子どもの前だけでも)落ち着くこと。「大丈夫だよ」というメッセージは言葉だけでなく、声の出し方、イントネーション、表情、仕草、動きからでも十分伝わります。もちろん抱きしめたり、頬ずりしたり、手をつないだりすることは言うまでもありません。「大好きだよ」というメッセージもこの時期、非常に大事と思います。

0歳から3歳は、「地面が動いた」ことも感じていない子どももいます。ずっと寝ていた子どももいますね。以前、私のクラスでも保育中に何度か地震がありましたが、大人が落ち着いていると、2歳から6歳の子どもたちでも全く平常心でパニック状態にならず、「押さない」、「走らない」、「しゃべらない」=「お・は・し」の約束を守っていました。(但し、緊急事態で逃げる必要のあるときは例外です)

「怖さを軽減してあげましょう」反対に、地震によってかなり深く恐怖を感じてしまった子どもは、風が吹くだけでも、窓を叩く音や、消しゴムを使って机が揺れるだけでも、身体を固めてしまい、ビックリする子もいます。「何かが動くことが怖い」とトラウマになっている子には、事前に言葉がけが必要かも知れません。「今、消しゴム使うよ」と今から何かが動くことを予測できるようにしてあげると、不安要素が減少すると思います。

「言葉をいったん受け止めましょう」またよくあることですが、「怖かった!」と表現をした子に対して、スグに大人は「大丈夫だよ!」と励ましがちですが、一度は「そう、怖かったんだ」と、きちんと子どもの「怖かった」という気持ちに共感してあげることが大切です。それから「でも、大丈夫だよ」と伝えると、子どもは受け入れてもらって、なおかつ大丈夫なんだという気持ちになるでしょう。

【被災地での本や話しの内容】

「現実に即した絵本を読んであげましょう」寝る前に、本を読んであげる儀式は続けてあげましょう。抱っこしたり、2人を膝に抱いたり、一日の中で、親子にとって、ゆったり安心できる時間です。様子をみて、同じ本が飽きてきたら、別の本を紹介してあげましょう。本の選び方:0歳~3才は、『デチタでチたできた!(以下デチタ)』にも紹介しましたが現実に即した絵本をご参照ください。

幼い子どもは、知っていることは非常に理解しやすく、愛着を感じます。それは食べたことのある果物でも、見たことのある動物でも、トラックでも、季節の移り変わりでも該当します。でも5,6才くらいから徐々に想像力が増し、目の前になくても思い描いたり、過去や未知の世界やファンタジーのお話も、彼らのイマジネーション能力の発達と共に紹介していくと大変喜びます。

「Good Newsを子ども達に!」

悲しくて恐ろしい体験や映像を見てきた子には、人間が本来持つ「良い姿」を紹介してあげましょう。例えば、本来、人は協力しあって生きていくことがわかるような本やお話です。昔、ポルポト政権下で傷つけ合う大人の姿ばかりを見てきた子どもたちが、難民キャンプの病院で、初めて医者が患者を救う姿を見て「本来人は、人を助ける存在だ」と感動した話を覚えています。

以前、神戸の地震のとき、クラスの子ども達にスイスからやってきた救助犬の話をしました。「ワンワン」と鳴くときは「人が生きてるゾ!」というサイン。「クンク~ン」というのは「人が死んでいる」というサイン。でも沢山「ワンワン」鳴いてくれて、がれきの下にいる人を助けてくれたんだって話した数年後。チリ沖の地震のとき、一人の子どもが「ねえ~、スイスから今度も犬、行ったかな~」と聞いて来て、私は何のことやら思い出せず、やっと後で救助犬のことだと分かりました。子どもたちは、人間が助け合ったり、動物がやさしい行動をしたりする本当にあった話が大好きです。

「安心感を与えるためにできること」

親しい人に会う→「アッ、○○ちゃんだ~!」と友だちや親せきの人が避難場所に訪ねていくと大喜びする。

笑う→言葉で遊ぶ(しりとり、○がつく言葉、反対言葉、なぞなぞ、手遊び、会話、ダジャレ)日常的な作業をする→掃除、洗濯、料理、手工芸などはグラウンディングや安心感につながる明るい希望のある話題を探す。→「7日ぶりに人が見つかった」「赤ちゃんが生まれた」など。

歌を歌う(輪唱が効果的)→何人かで一緒に輪唱をすると人の和、協力が感じられる、楽器を弾く→不安な脳を、前向きな脳、考え方にシフトしてくれる人が人を助けている風景を見る。

手紙を書く、もらう(メールができない場所ではハガキと鉛筆が大活躍!彼らに手紙を書くボランティアもあるといい)

絵を描く、コラージュを作る、写真を撮る。残っている家族に送るファミリービデオを子どもが企画・製作する。

以上、これらは大人の安心感にもつながると思います。

深津高子(国際モンテッソーリ教師/幼い難民を考える会理事)

Share Button