うたを作ってうたう人

うたを作ってうたう人

きょうの生徒さんのひとりは、曲を作り始めて間もないシンガーソングライター。人前で歌うのも、はじめてあまり日が経っていない彼女が、恥ずかしがりながら、レッスンの中で自分の曲をうたってくれた。

とてもすてきな歌だったのだけど、思うように演奏できなくてミスをしたことなど、とても気にしていた。
でも、聴き手としては、ミスがあったとは全然気づかなかった。

歌の世界全体からすれば、ミスなんて、全然気づかないほど。

自分が作った歌詞や、歌の出来についても、本人としては、まだまだ全然満足していないようだった。

私からすれば、充分いい歌だった。殿堂入りの名曲とまでは言わないけれど…。
歌っていうのは、完璧なメロディや、完璧な歌詞じゃなくても、
歌詞やメロディにおさまりきらない思いさえも載せて運んでくれるもののように思える。

いま世の中で歌われている歌も、そういうものなんじゃないか?

まだ、とまどいながら、疑いながら歌っているような彼女。
その、とまどいや、疑いさえも、素敵なんだけど、
これから歌い続けるにつれて、
とまどいや、疑い以上に大きい
彼女の思いがもっと、歌にこめられてきて、同じ歌に、もっともっと命がふきこまれて生きていくんじゃないか?と、想像した。
楽しみだな~。

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ホタル

ホタル

きのうは、ホタルたちに無事会えました。
都内での仕事から、急いで藤沢に帰って、自転車で川沿いを上流に向かって40分。河原沿いの公園も、夜は真っ暗な道です。
蛙の鳴く声を聴きながら。
そして住宅街にそれて、谷戸に入る道を探す。
小さいろうそくのランタンの、最低限の灯りが灯されています。
田んぼから、蛙の合唱。
そして、光ったり消えたりしながら飛んでいるホタルたち。
目が暗闇に慣れてくると、見えてきます。
ライトやスマホのあかりをつけたり、写真を撮るのは、繊細なホタルたちが困るので、禁止。
現代社会ではなかなか経験できなくなってしまった、貴重な暗闇。

今年のピークは過ぎた、と聞いていたけれど、まだまだたくさんいました。
暗闇のなかの、蛙の声と、ホタルの灯り、1時間ぐらいそこにいて、
また川べりを帰ってきました。
いい時間でした。
石川丸山谷戸は、地権者の人たちとボランティアの人たちで守っている里山。住宅街や農家の方の土地のあいまにあるので、あまり宣伝はしておらず、地図にものってない。
「川の上流ってことはわかったから、行ってみよう」と、一昨年、相方と出かけて、たどりついたのが最初でした。
でも口コミでだんだん人気になってきたらしく、親子連れなどもけっこう来ていました。
子どもたちに、小さいころからこの感覚を味わってもらえるのは、いいな!
自然を尊重しつつ、自然を味わえる、地域の人のくらしと共存した環境が、いつまでも残ってほしいな。

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ポルチーニ茸の見分け方 (フィンランドにて)
マイク・アボットさんのグリーンウッドワークの工房@イングランド

マイク・アボットさんのグリーンウッドワークの工房@イングランド

イングランド中部、ヘレフォードシャーで昨日までの5日間、マイク・アボットさんのグリーンウッドワークの工房に行っていました。developmental weekと言って、これから椅子作りなどのワークショップをするために会場を整えるための、ボランティアをしながら、マイクさんの仕事のしかたや、場作りを学ぶweekです。

工房には焚き火が絶えず焚かれていて、暖を取るのと、調理はそこと、その隣りにあるロケットストーブ式のオーブンですべて行うのです。
参加者のおじさんが焼いてくれたパンやピザ、誰かしらが焼いてくれる朝食のベーコンエッグやおかゆ、リゾット、みんなとてもおいしかったです。

テントは、生えている木をお互いに結わえて、その上にタープをかけたベンダー・テント。外と変わらないので、夜2℃ぐらいになる日もあって寒かったですが、目が覚めたら天井に本物の木の葉やつぼみがあって、ロビン(ツグミ)などの鳥が挨拶に来てくれました。

切ったばかりの木を削って椅子の足にするところも、やらせてもらいました。生木を形にしてから、乾燥させるやり方です。

電気は最低限。電磁波フリーの環境で、体調もよくなった気がします。夜は真っ暗です。
そのなかで焚き火を囲んでおしゃべり。イングランド各地の訛りの英語は聞き取りにくくて、雑談の内容はあまりわからなかったけれど、心地よい時間でした。

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