雨の中の高尾山
飯塚真紀さんのスローフラメンコ・ワークショップ、とてもよかったです!
それについても書きたいのだけど、
その前に高尾山のことを、また書いておきたくなりました。
(スローフラメンコについてはちょっと待ってくださいね。)
このあいだの夏至の日に、去年日記にも書いたエコラボキャンプでもお世話になった、虔十の会の坂田さんが案内をしてくれる、高尾山のお散歩のミニイベントがあって、行ってきました。
私は高尾山のこともそうだけど、この坂田さんという女性のことが気になっていたのです。
高尾山をトンネル計画から守る活動をしている人で、高尾山の状況が大変ななか、キャンプとか座り込み(←ヨガとかコンサートとかしながらの)とか、いろいろな活動を支えている人なのだけど、なんだか明るくてポジティブで、でもそのポジティブさが、から元気という感じではなくて、きっと、すごく遠くを見据えているからこその、目先にふりまわされないポジティブさがあるんだろうな、という印象を受けたのです。
(個人的にお話したことがあるわけではないのだけれど、なんだかとてもそんな気がしたのです。)
その坂田さんが高尾山を案内してくれるお散歩ということで、行ってきました。
高尾駅からバスで、裏高尾の日影沢というところに行って、そこのキャンプ場入口から出発です。
ちょうど着いたころに、雨がかなり降ってきました。
私はレインコートを着ていたし、ほかの参加者もレインコートの人が多かったのだけど、坂田さんはふつうのTシャツとズボン姿というラフな格好でした。
沢の水かさは雨で増えていたけど、とても澄んでいました。
高尾の山自体から水が湧き出しているのと、シャガという草たちが、土手の土を押さえていてくれているから、水がにごらないのだそうです。
高尾山の水は15年ものだそうです。
15年間、山の中を流れて、沢になるそうです。
それだけ水をふくんだ山の森があるから、それが蒸発して雨になる・・・
そう考えると、雨が降るのと、森があるのと、どちらが先かわからない、
循環しているのです。
その沢を飛び越えて(靴に水がばしゃっとかかったけど、それも楽しい!)道の向こう岸に渡り、道から外れてのお散歩です。
大きな岩の上を覆った、雨でふかふかになった苔をさわり、朽ちかけた木の幹の中の穴に、あたらしく、さらさらな土ができているのをさわりました。
そのなかに、小指の爪ほどの長さの、ほそーいミミズの赤ちゃんも、いました。
木は何百年か経つと、時間をかけて朽ちていく。木が朽ちていくことによって、きのこが生えて、きのこが木の成分を分解して、土に戻す。。。
山には人間の時間とはまったくちがう時間が流れている、
と坂田さんが言ってました。
まっすぐ歩いたら10分もかからないくらいの距離を、1時間ちょっとかけて、寄り道しながら、思いっきり五感で味わったお散歩でした。ゆたかな時間。
—
坂田さんに、山のことは独学で勉強したんですか?と聞いたら、
「そう。高尾山に教わったの」と言ってました。
ほんとに高尾山を愛していて、高尾山に生かされている人なんだなと思いました。
でも私も、高尾山から帰って、その日は寒くてちょっと疲れが出たけど、
次の日はなんだかいつになく元気が出て、ああ、山から英気をもらったんだな、と、思いました。
また気軽に来たいです。元気をもらいに。
—
でもトンネルの工事は進んでいて、太い穴を2本、掘り始めています。工事現場の近くのトラスト地にも、このあいだ行ってきましたが、痛ましかったです。(コンクリの穴の外壁が緑に塗られていたのは、「景観を損ねないために」だとかいう噂。意味ないんじゃ?)
そのトンネルのおかげで、沢の水が山にしみこめなくなって、沢のうちの1本は、上流には水がたくさんあるのに途中で流れてしまって下流まで届かず、下流が枯れてしまっている状態に、すでになってしまっているそうです。
新しい道路を作るにしろ、山にトンネルを掘らなくても、ちょっと迂回すればいいはず。
一度決めたこと計画を変更するのは大変なことなのか?
そうなのかもしれないけど、でも、こんなすてきな山をうしなうことを考えたら、今からでも考え直してほしいです。
今ならまだ間に合うと思う。