私は劇団で俳優をやっておりまして、アレクサンダーテクニークのことは演劇仲間を通じて聞いてはいたのですが、その内容については全く知らず、
ヘルニアからくる坐骨神経痛で苦しんでいるときに色々調べましたところ、
アレクサンダーテクニークについて書かれた一冊の本に出会いました。
その話題を事務所でしていたところ、たまたま石井先生の高校時代の後輩が同じ職場におり、ホームページを紹介していただきました。
早速休みに東京に出かけ、レッスンを受けました。
まず先生に手足を動かしていただき、骨盤、脊柱、そして頭蓋骨の構造を理解し、立ち座りや歩き方のレッスンというシンプルな内容でしたが、行きの新幹線で座ってるのも辛かった臀部の疼痛が、レッスンを受け後の帰りの新幹線では痛みが半分くらいに軽減されていたのを覚えてます。
これまで様々な整体やカイロに通いましたが、こんなに即効性があったのは初めてだったので衝撃を覚え、その後何度かレッスンに通いました。階段の登り降りや あぐら座り、カバンの持ち方などのレッスンを受け、何気ない動きにも無駄なく行えるよう自分の身体に意識を払うことによって、自分で自分の身体を矯正する 力も習得できつつあるような気がいたします。
また、そういう理にかなった動きは舞台上でのパフォーマンスにも大変有効で、発声なども楽に効率よく出せるようになった気がいたします。
今では坐骨神経痛も殆ど気にならなくなりました。
整体やマッサージは他力本願なところがありますが、この方法は自分自身の身体の動きへの意識の積み重ねが大きな収穫をもたらすという、いわば生活のコツのようものが明確に示されるので、シンプルでありながら実に効果的だと思います。
(A.Oさん 俳優、静岡市、2008年の感想)
レッスンを開始したころの印象
初回から3、4回くらいまではレッスン前後の変化が とても大きく感じられ、たとえるなら車を毎回高いものに乗り換えていくような変化だった。 5、6回目を過ぎたあたりからわりと変わり方が緩やかになってきたものの、 このまま続けていけば体の使い方が高度に、複雑に なっていくのだろうなあと期待があった。が、10回を過ぎると、むしろ テーブルワークのあとの立ち方はシンプルな方向になっていった。 すこし拍子抜けしないでもなかったが、なるほどこれが自然な立ち姿 なのかもしれないと納得するようになった。20回をすでに経過した今もその方向で進んでいるようだ。
レッスンに伴って現れた症状について
初期のころに起きていた症状だが、レッスンの翌日、二日後に頭部がどんよりして重たくなるという日があった。たぶん凝っている後頭部や頚部に意識が回る ようになってきた のが原因だったと思う。これは石井先生に相談しておいた方がよいかな と思い始めた10回目あたりから、身体や脳が慣れてきたらしく、ぴたりとこの症状は出なくなりました。
腰痛の経過とバッティング動作
私が数ある身体操法のなかからアレクサンダー・テクニークを選んだ理由の ひとつに、ソフトな手技を用いているということがありました。 それまでに体操などの類はいくつか経験していたのですが、 身体を左右にねじる動きの入ったものをやると腰を痛める傾向があり、 運動の選択は慎重を期すようになっていました。 腰のねじりによってスピードや威力を出そうとする系統のスポーツや武道を 近年は避けていましたし、ゴルフなどは一生無理だろうと思っていました。
レッスンを受けていくうちに体の使い方に変化が感じられるようになり、 腰痛を起こすことが少なくなってきたことと、テクニークで教わったことを なにかに応用してみたいという意識が出てきたので、 近くにあるバッティングセンターに通ってみることにしました。 野球のバッティングは身体をねじるスポーツの代表格で、 以前なら翌日に腰痛を起こしてすぐに離れてしまうのがおちでした。
今回はときどき棒を素振りしたり、20球打っては2日休むという方法で 少しずつ身体を馴染ませ、テクニークをヒントにしつつ、良いスイングを探しまし た。 さすがに初期のころは腰痛を起こしていましたが、 1,2日休ませてからまた少しだけ打つ、という練習を繰り返しているうちに、 やがて80球続けて打っても腰は壊れなくなりました。 このころになると、上半身が股関節を境に 回転しているのがわかるようになりました。 アレクサンダー・レッスン以前は股関節が使えず、ウエスト回りで身体を強くねじる スイングをしていたことが腰を痛める原因のひとつになっていたようです。
そのうち個人レッスンにスイングの動きを持ち込んで見 ました。 バットを水平に振り切ることが出来ず、スイングが途中で上に逃げてしまう のが目下の悩みだったのですが、腕をスイング開始時に不必要に 縮めるくせがあると判明し、それを開放してから振ると、自然にフォロースルーが 生まれるようになりました。これは見事に一回のレッスンで定着し、 その後はフォームが良くなり、振りが楽に速くなりました。
いろいろな活動に応用して気が付いたこと
面白いことに、レッスンで試したことが、その種目自体よりはむしろ全く別の活動 でヒントになったケースが多い。これに気づいてから「アクテビィティでいろいろなことを試す」のに 拍車がかかった。きちんと椅子に座って行う作業が意外に難しい。というか作業そのものは出来るが、すぐに体が固まりやすく、レッスンで教わった時の感覚を 忘れてしまいやすい。逆に、いかにも難しそうな身体運動(野球のバッティングとか太極拳とか) のほうがひとりでも再現がしやすかったり、効果が後まで残ったりした。私の場合割とこういった傾向がありました。これは以前にアレクサンダー・テクニーク に対して持っていた先入観 (きちんとした姿勢を取れる活動にしか役立たないのではないか)とは逆の結果でした。
(Nさん、31才 男性 東京都)
古武術を少しかじっておりますが、稽古をどう進めて良いのか伸び悩んで居りました。
知人の方にそんな話をしてみたら、「アレクサンダー・テクニークが役に立つかも」とおすすめ頂いたのが直接のきっかけです。
実際に受けてみる前にはレッスンは、参考書の問題集を解く様に、姿勢、歩き方、脱力の仕方・・・と次から次へと学んでいくものと想像しておりましたが、実際のレッスンは随分と異なりました。むしろ、そのような対処療法的発想を直す地道なレッスンでした。
細かいようであやふやで、あやふやなようで具体的と申しますか、なんとも形容し難いものです。奇跡やミラクルを起こすものではなく、むしろ、そういったものにすがる依存症を直すものでもあるように思います。
アレクサンダー・テクニークのレッスンを受けたことで、自分の体の運用の癖と考え方の癖の双方に気づきやすくなりました。
体の運用が、考え方の問題とかなり根本を同一としているとも気づかされました。
一見難しそうですが、実は簡単なことです。でも、難しいことです。
わたくしは二ヶ月半の期間を掛けて、八回のコースを受講致しましたが、途中で、大きくこれだ!とつかめたものが失われたり、いままでの癖の延長で考え過ぎて、あらぬ方向に行ったりと紆余曲折致しました。それもすべて私の従来の癖から生じたのだと納得できるようになったのは大きな進歩です。
毎日のささいな動き-歩いたり、座ったり、ドアを開け締めしたり-の一つ一つが稽古になる・・・いまは以前よりも強くそのように感じて居ります。
古武術とアレクサンダー・テクニークは原理的に一緒と言ってよいように思います。
わたくしはアレクサンダー・テクニークを通じて、はじめて、古武術の師匠の言葉を自分勝手に誤解していたことに気づかされました。
人によって合うもの、合わないものがあるはずです。古武術の言葉や型の意味がすんなりと判らない時に、アレクサンダー・テクニークのレッスンを受けて、その共通性を考え・感じることで、ハタと理解がすすむ方も多いと思います。
師匠と相対で稽古することはいまは中々ないと思います。アレクサンダー・テクニークは教師との一対一のレッスンができますので、この点も得るものが大です。
勿論、古武術は刀や薙刀の運用等々を学ぶので、その具体的な技法はアレクサンダー・テクニークの世界では得るものではありません。ただ、大事なことは根本的な「原理らしきもの」なのだと思います。
筋力に頼ることの多い現代武道と古武術は違うもので、わたしも門外漢ですが、軸のぶれない反転、相手の力の利用等々、利用できることは多いのではないでしょうか?
そのほか、体を運用される方、音楽家の方、舞踏家の方は勿論、誰でも体を動かすのですから、あらゆる方に、アレクサンダー・テクニークは役立つと思います。
上に古武術の話を致しましたが、仕舞を習われる方は勿論、茶道、習字等々を習われる方にも、おすすめしたいと思います。我々が西洋の19世紀的な考えを受け入れてしまっている程度が強ければ強いほど、西洋人の開発したアレクサンダー・テクニークが役に立ちやすいのかも知れません。
心身並行論ですから、ビジネスマンの方にだって役立つこと大ですし、主婦の方にも、学生さんにも広くおすすめ致したく存じます。
特におすすめしたいのは、臆病なあまり他人を攻撃してしまう方や、ずるずると相手に依存してしまう方です(冗談抜きに)。
(Oさん、男性、2008年)
アレクサンダー・テクニークを始めたきっかけは、
以前から自分の頭のイメージと身体の動きが一致してない気がしていたこと、
まっすぐに立つということが分からなかったこと、
ベッドで眠っている時に腰が痛くて眠れないことが多かったこと、
力を抜くということが全く分からなかったこと、
時々息をすることを忘れているような気がすること、
などを抱えていてどうにかしたかった。
身体っていうのは本来もっと楽な状態でいるものなのではないか、
この身体の状態が心にまで浸透してしまったら嫌だなという気持ちで、
身体や自分との付き合い方を探してきた。
色々なことを試したが、ほとんど実感が得られない歯がゆさを感じていた。
そんな時にアレクサンダー・テクニークに出会ったのだ。
アレクサンダー・テクニークを始めて
最初はテーブルワーク。
テーブルワークというのはベッドに仰向け状態で、
先生が身体をあるべき状態に整えている、そういう印象。
カイロとかマッサージとは全く違う。
洗濯物をたたむ時に形を整える、それに似ているかな?
ワークの後、立ち上がってみると足の裏に今までと異なる体重の重みを感じて不思議だった。
立っているということはこういうことか、そう思った。
その後で先生が骸骨の模型で身体の説明をしてくれる。
思っている以上に頭には奥行きがある。首は太い。胴体にも厚みがある。
思っている以上に身体はどっしり出来ているのだ。
そして身体の使い方、立ったり座ったり、頭を動かしたり、声を出したり、をする。
体を動かしている間中、身体の大切なポイントを先生が伝えてくれる。
普通に生活している時に、そういった言葉が頭をよぎる。
アレクサンダー・テクニークとは、いつの間にか忘れてしまった身体を使う上での大切なことを教えてくれるものだと思った。
そして身体が楽になると、心(自分)が身体の中に存在しやすくなるみたいだ。
アレクサンダー・テクニークで変わったこと
週に一度、ヨガをやっている私の一番苦手なポーズの1つに「立木のポーズ」というのがある。
片足で立ち、もう片方の足の裏を立っている足の腿につける。
今までヨロヨロしてしまい、なかなか立てなかった。
少しふらつくけれど、最後まで立てるようになった自分にびっくり。
山のポーズ(まっすぐに立つポーズ)も同様、ほとんどふらつかない。
まだ2~3回しか受けてないのに。
また、子供の頃から立ちくらみが激しく、立ち上がると倒れそうなほど眩暈が起こったり、頭がズキズキしていたのが、今となってはほとんど症状は出ない。
実際、身体にも厚みがでてきた。
鎖骨の形が変わった気がするし、お尻や腿の肉付きも変わった。
ベッドで寝ていても腰に痛みを感じない。
声の出し方にもすこし変化が出て気た。
ヨガでマントラを唱える時、声が引っかからなくなった。
サックスを吹いていても以前より疲れなくなった。
などなど。
身体だけではなく気持ちも変化するようだ。
以前よりも「あたって砕けろ」というな気持ちになり、あまり後ずさりしなくなった。
緊張してばかりなのは相変わらずだけど、緊張の度合いは弱くなっている。
身体の中に重心を感じるようになり、気持ちに余裕が出来つつあるのかもしれない。
…ということで、
こんな風に身も心も今までよりちょっと楽している自分がいます。
先生の言うように、身体は自分が思っている以上に賢くて、
ワークでやったことを覚えていてくれる。
頼っちゃっていいんだ。頭ばっかりに頼らなくっていいんだ。
でもどちらか一方が先走り過ぎたりしないように。
そういうことなのだろう。
そして、アレクサンダー・テクニークによって身体や気持ちは変化するけど、
その変化は今までの自分にサヨナラ、というものではなく、
余計なものを身につけすぎていた自分から本来の自分自身に近くなる、
そういう印象です。
もっと早く出会いたかったな。
(S.Y.さん、30代、2008年)
まだ数回しかレッスンをうけていないのですが、アレクサンダー・テクニークはすごく、不思議です。すごくがんばる、ことを要求されるわけでもなく、かといって、一方的に受け取るだけ、ということでもない。
実は、がんばっていた私でした。(がんばればなんとかなる、と思っていたのかも)
これは、本当にクセなんだな、って実感してしまいました。
今日は、がんばらないで、楽しもうと思ってただ、みつめてみよう、と気持ちを持っていくようにしてみたのですが、そしたら本当に楽しかったです(笑)
もっと、たくさん知っていきたいです。
アレクサンダー・テクニークは、体や感覚全部で「体験」して発見していくその感じが、私には新鮮で、そして自然なことを新しく思い出すみたいで、とっても面白いです。
アレクサンダー・テクニークは、学んで行く方向、進んでいく方向を示したり調整したりしてくれるみたいに感じてます。ほかのいろんなこととつなげて、私の視野・世界を広げてくのを助けてくれる感じがしてます。
(Tさん, 2000年)