”上に” は、結果。上に持っていこうとしなくていい。

アレクサンダー・テクニークのレッスンで、「頭が上にある、ということを思い出しましょう」などと、よく言うので、それが生徒さんの印象に残るようで、帰ってからも、「頭が上に」ということを、意識している生徒さんが多いと思います。アレクサンダー・テクニークの本にも、そういうことが、よく書かれていますしね。 そういう意識は、よいことの場合が多いけれど、実は逆効果になってしまう場合もあります。 レッスンで、「頭が上にある、ということを思い出しましょう」と、私は言ったりしますが、 それはあくまで、事実として今、頭が上にある、ということ。 それ以上に”上に”持っていこうと思うと、何かをやりすぎてしまうことがあるのです。 「頭が上に」と、「頭を上に」の違い、と言ってもいいかな。 事実として今、頭が上にある、ということを、”思い出す”ことによって、もし首や背骨を縮めていた場合は、縮めることが抑制されて自然に伸びていくことが、自然に起こりやすくなります。 ただし、その人の状態によっては、伸びていかないこともある。 そうすると、伸びることを起こしたくて、上にひっぱりあげたり、持ちあげたりしたくなる...
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デビ・アダムスさんのワークが終わって-2 重力とサポート

ボストンのアレクサンダー・テクニーク教師デビ・アダムス(Debi Adams)さんの来日レポートの続きです。 今回、デビさんは来日する前、「『サポート』と『重力』をテーマにワークショップをやりたい」と言っていたのです。 でも、それを聞いて私は、「うーん、私には、あまりぴんとこないテーマですね。それより『インヒビション(抑制)』と『方向性』といった、アレクサンダー・テクニークの原理を、デビなりに紹介してもらえませんか?」と、独断と偏見でそんなふうにお願いしたのでした。 でも、デビのなかで、『インヒビション(抑制)』『方向性』『サポート』『重力』は、みなつながりがあるとのことで、サポートと重力の話もたくさん出てきました。 (ただデビは、「私は『方向性』のことはあまり言わない。『方向性』は、インヒビション(抑制)の結果として出てくるものだと考えているから」と言っていました。私もそれには同意です。) それらの一連の話にかかせないのが、『テンセグリティ』の話。 『テンセグリティ(tensegrity)』とは、tense(張力/緊張)と、 integrity (統合)を掛け合わせた言葉で、建...
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”この素晴らしき世界”

奥野敦士さん(元"ROGUE"のボーカリスト)のうたう、”この素晴らしき世界” 奥野さんは、2008年に、不慮の落下事故により頚椎を損傷して、首から下の自由を失った。 腹筋も動かなくなってしまったが、「お腹にベルトを巻き、声を出すたび、上体をぐっと前に倒す」という独自の歌唱法で、今も歌う。 http://www.youtube.com/watch?v=6jo-mJPAS3A アレクサンダー・テクニークで、頭と首~背骨の関係性が、からだ全体をはたらかせていることを、プライマリー・コントロール、というのだけど、そのプライマリー・コントロールは、健康でも病気でもけがをしていても、麻痺があっても、どんな状況でもはたらいている、ということについて、ちょうど考えていたら、たまたま、この動画が、ほぼ日刊イトイ新聞で紹介されていたのです。 うーん、すばらしい!! アレクサンダー・テクニークlittlesoundsのサイトはこちらです。東京と神奈川での個人レッスンを、週に3日づつ行っています。出張もします。 レッスン・スケジュールはこちらです。
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プライマリー・コントロール

アレクサンダー・テクニークのレッスンでは、頭と首と胴体の関係性を観てみることからはじめることが多いです。 私たちはいろいろな刺激を受け取って行動するとき、あるいはただ、そこに存在するだけでも、  ・首が自由で、頭が高い位置にあり、胴体が長く広く自由 という状態と、  ・首を無意識に固めて、頭で胴体を押し下げている という状態を行ったり来たりしています。(ちょっと単純化した言い方ではありますが)。 その違いによって、自分全体としての存在の質や、なにかをしている場合なら、することの質や、やりやすさが変わってきます。 実際には当然それ以外にたくさんのことが起こっているわけですが、それ以外のことが気になるとき、それ以外のことを観たいときにも、まず、頭と首と胴体の関係性から観ていくことはとても役に立ちます。 頭と首と胴体の関係性のことを、アレクサンダーの用語で「プライマリー・コントロール」と言うのですが、「プライマリー(primary)」というのは英語で「まず第一の」という意味なのです。 首を固めたまま、腕や脚を自由に使うことは難しいし、 首を固めたまま、バランスを取ることも、...
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